敦煌の飲食文化
/敦煌歴史文化絵巻
高啓安/高田時雄 監訳/山本孝子 訳
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出版社:東方書店 |
出版年:2013年07月 |
コード:00727 272p ISBN/ISSN 9784497212054 |
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東西交流の中継地、敦煌には、東西南北からさまざまな食材が集まり、多様な調理法が導入され、それにともなう多様な食習慣も取り入れられてきた。本書は、20世紀初頭に敦煌莫高窟から発見された文書や石窟壁画などの資料を用いて、当時の人びとが口にしていた食べ物の種類・名称、調理法、食習慣および中国と西方の食文化の交流などを明らかにする。カラーおよびモノクロ図版150点を収録。 中国における敦煌学の第一人者が多数のカラー図版とともに一般読者に向けて書き下ろし、高い評価を受けた「走近敦煌叢書」の日本語版。日中共同出版。シリーズ第2巻。●編著者のことば 東西文化交流の重要な中継地点であった敦煌には、東西南北各地からさまざまな材料が集まり、多様な調理方法が導入され、それにともなって、食事に対する考え方や礼儀作法も取り入れられていた。中国の飲食文化を研究する上で、詳細かつ精確な資料であるだけでなく、これまでの史料で足りなかった部分、全く記されていなかった部分を補足し、埋める役割をも持つのである。生き生きと描かれる史料や壁画を見る時、我々はあたかも目の前に胡餅や餺飥が並び、古人が歌を詠み舞を舞う、にぎやかな宴会の席にいるような錯覚を覚えるのである。(「あとがき」より)
●構成 まえがき 1.百味の飲食―原材料の調達 穀物・マメ・イモ類/肉・乳製品/蔬菜類/調味料/果物類/油脂類/野生の動植物/食習慣と栄養 2.百種の什器―食品の加工と食器 搾油と製粉/鐺鍋鑊鏊―敦煌の炊事用具/碗、皿、ナイフ、フォーク―敦煌の食器類/盆罐缸甕―敦煌の容器/甕角叵羅―敦煌の酒器/案墩鋪設―食堂とその設備 3.餢飳餺飥―奇妙な食物の名前 4.対座会食―敦煌の宴席 宴会の場所/宴会の名称/宴会の席次/宴会のスタイル 5.敦煌の人と酒 酒は懸流の若く注ぎて歇きず/仏徒「般若湯」を拒まず―敦煌の僧尼による飲酒/蔵鉤・拳・歌舞―飲食の様式/酒杯に百杯を飲みほす酒豪たち―敦煌の人びとの酒量/ 6.敬神供仏施捨鬼―飲食が敦煌の人びとの精神世界に与える影響 敬神―神への敬い/供仏―仏へのお供え/施捨鬼―鬼神への喜捨/粗餐と佳味―食事に体現される社会階級 7.世俗と戒律の狭間で―僧尼の食事 仏事での食事提供/労務のまかない/斎僧供養/節句・解斎/客人の送迎・接待/食べ物の種類 8.建ち並ぶ飲食店―敦煌の飲食業 酒肆/餅鋪/醬醋坊―造酢工場/油坊―搾油工場/肉鋪/その他/調理器具、食器の製作と修理/敦煌の調理方法/敦煌の料理人 おわりに 訳者あとがき 参考文献 図版目録
*原書:『旨酒羔羊―敦煌的飲食文化/走近敦煌叢書』(甘粛教育出版社、2007年)
【シリーズ既刊】 敦煌の民族と東西交流 柴剣虹、栄新江 主編/栄新江 著/高田時雄 監訳/西村陽子 訳 2012年12月 よみがえる古文書―敦煌遺書 郝春文/高田時雄 監訳/山口正晃 訳 2013年10月
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■編著者紹介
【高啓安】蘭州商学院敦煌商業文化研究所所長・教授。 【高田時雄】京都大学人文科学研究所教授。敦煌学国際連絡委員会幹事長、中国敦煌吐魯番学会海外名誉理事。 【山本孝子】日本学術振興会特別研究員PD。
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