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中国俗文学史 /東方学術翻訳叢書 上製
鄭振鐸/高津孝,李光貞 監訳
出版社:東方書店
出版年:2023年10月
コード:22309   880p   ISBN/ISSN 9784497223098
 
価格 13,200円
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俗文学研究の出発点、ついに翻訳

詩文を中心とする中国の伝統的古典文学の範囲外とされた俗文学(広義の民間文学)研究の嚆矢、鄭振鐸『中国俗文学史』(商務印書館、2010年版(原本1938年))の全訳。各章に最新の研究成果を踏まえた訳注および訳者解説を附す。

鄭振鐸は資料を収集するところからはじめ、古代の『詩経』から清代の民歌まで、時代を追って実際の作品を数多く収録し、分類、解説している。収録作品の8割近くは日本語初訳である。

【試し読み】中国俗文学史 全体解説(高津孝)
      WEB東方にて公開中。

著者の言葉
「俗文学」とは何か。「俗文学」とは、通俗文学であり、民間文学であり、また大衆文学でもある。換言すれば、いわゆる俗文学は、宮廷など高雅な場で享受される文学でもなく、士大夫に重視された文学でもなく、民間で流行し、大衆が好み喜ぶものだったのである。
中国の「俗文学」が意味する範囲は非常に広い。というのは、正統とされる文学の範囲があまりにも狭いからで、そのため「俗文学」の範囲が顕著に広がったのである。詩と散文を除いたほとんど全ての重要な文学、たとえば小説、劇曲、変文、弾詞などはすべて「俗文学」に帰属すべきものとなった。
およそ宮廷など高雅な場で享受されず、士大夫に軽視され、注目もされなかった文学ジャンルが、すべて「俗文学」なのである。(第一章 「俗文学」とは何か より)

本書をあらためて読んで感ずることは、その初々しさである。これから新しい観点、新しく収集された資料に基づいて、これまで無かった新しい文学史が生まれるのだという著者の気持ちが行間に溢れている。初期の研究として後世から見れば問題点も多いとは思うが、新しいものを切り開くのだという気持ちの躍動が感じられる作品である。(略)意外であったのは、本書所収のおそらく八割の作品が初訳であることである。著名な作品ながら日本語訳されていないものも多く、翻訳担当者は相当に苦労されたと思う。本書は中国の文学を、民間文学も含めた全体として理解しようとする読者への賜物である。(「全体解説」より)

構成

はじめに(高津孝)
第一章 「俗文学」とは何か
第二章 古代の歌謡
第三章 漢代の俗文学
第四章 六朝の民歌
第五章 唐代の民間歌謡と賦
第六章 変文
第七章 宋・金の「雑劇」詞
第八章 鼓子詞と諸宮調
第九章 元代の散曲
第十章 明代の民歌
第十一章 宝巻
第十二章 弾詞
第十三章 鼓詞と子弟書
第十四章 清代の民歌
中国俗文学史 全体解説(高津孝)
あとがき(李光貞)

■編著者紹介

著者
鄭振鐸(てい・しんたく)
1898~1958。中国近代の文学者、文学研究者。北京鉄路管理学校在学中に瞿秋白らと雑誌『新社会』を創刊、1921年に茅盾らと文学研究会を結成し、同年、商務印書館に入社、『文学旬刊』等の雑誌を編集した。その後、燕京大学、清華大学、曁南大学教授となり、中華人民共和国成立後は中国科学院考古研究所所長、文化部副部長を歴任、海外訪問の途中、飛行機事故で亡くなった。

訳者
高津孝(たかつ・たかし)放送大学鹿児島学習センター(第1章、第5章、監修)
柳川順子(やながわ・じゅんこ)県立広島大学(第2章、第3章)
松家裕子(まつか・ゆうこ)追手門学院大学(第4章、第11章)
三木夏華(みき・なつか)鹿児島大学(第6章)
小松謙(こまつ・けん)京都府立大学(第7章、第9章)
藤田優子(ふじた・ゆうこ)日本学術振興会特別研究員(第8章)
大木康(おおき・やすし)東京大学東洋文化研究所(第10章)
輪田直子(わだ・なおこ)石巻専修大学(第12章)
後藤裕也(ごとう・ゆうや)目白大学(第13章)
岩田和子(いわた・かずこ)法政大学(第14章)
李光貞(り・こうてい)山東師範大学(監修)
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