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秋刀魚 42 現在就想吃的臺味日食
陳頤華 總編
出版社:黑潮文化股份有限公司
出版年:2024年01月
コード:499192   112p  28cm ISBN/ISSN
 
価格 2,750円
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私たちの食べているもの、これぞ台湾の味
公式HP→https://qdymag.com/news/525

西門町に一軒、無名の日本料理店がある。「日本料理店」と言うよりも、「日本料理を売る台式熱炒(台湾風居酒屋料理)の店」と言うべきだろう。一階ドア前で売られている関東煮(台湾風おでん)にはメニューはなく、何が食べたいのか店主に身振り手振りで伝えなければならない。客はこの料理が一体いくらするのか想像しにくだろう。店主はいつも豪快に食材を切った後に総額を教えてくれる。初めて訪れた客からすると、少々びくびくものである。2階のレストランに向かうと、オムライス、親子丼、いなりずしなどがあり、まるで日本の料亭のようだ。しかし同時にタケノコの盛り合わせ、鶏もも肉のグリル、それからショウガの千切りを加えたハマグリのスープなども楽しめる。客人は赤い椅子に腰かけ、テーブルには台湾ガラス製のビールカップ、冷蔵庫にある飲物は烏梅ジュースと台湾ビール。最後に店内すべてがなじみ客である。これぞ名もなき日本料理店の姿なのだ。

子どもの頃の放課後、父の車に乗り帰宅する途中、いつも回り道をしながらこの店を訪れた。焼きうどんを1皿注文し、私は車上でお腹いっぱいになっていた。これは私の「うどん」に対するすべての記憶の始まりでもある。少し塩からめの汁を吸い、豚肉の千切りと小白菜が一緒に炒められていた。麺は時に汁を吸い柔らかすぎ、時にちょうど良い硬さで、毎回料理人の気分次第で当たり外れがあるかのようだった。うどん料理として評価するなら、この焼うどんのパフォーマンスは絶対に最高ではない。しかし後に香川、秋田など日本のうどん発祥地を歩き回り、最高級のうどん料理を食べつくしても、私の舌はなおも私に、あの放課後父が私をねぎらうための一杯を告げていた。「日本料理」で私を喜ばせようとした名もなき焼うどんこそ、最高においしい1品であり、これもまた私の日本料理への最初の記憶になったのだ。

ある人曰く、台湾の日本料亭は日本人を怒らせるそうだ。なぜ刺身を厚切りにして、寿司には肉でんぶを加え、みそ汁に貢丸(肉団子)が入っているのかと。「台湾の味」に属す日本料理は、実のところ形態上での変化、食材上での魔改造だけではない。より多くの時、私たちは先人たちの執念を口にしているのである。お祝い事の時、日本料理店で美味しい料理をいただく。同時に食卓上での満足感のために、料理はますます大盛になり、みんなが好きな季節の食材も一緒に加えるべきとなる。この日本料理本体を包み込んでいる、あの濃厚な気持ちはまさに台湾人の家庭や友だち間の豪快な気合と、子どもへの強い愛情なのである。手業、食材、料理の伝統はもちろん重要だ。しかし遠く日本統治時代から発展してきた台湾風日本料理は、すでに台湾人の自分達の味となっているのである。

今期は「台湾の味の日本食」をテーマに、日本と深いかかわりのある古都、基隆、嘉義、高雄にて、料理の旅人を探して訪問インタビューを実施した。また3組の異なる時代のグルメ愛好家を招聘し、日台間の日本料理精神についての談話を行った。「日本料理は台湾で何世代にも渡り人々に寄り添った結果、すでに私たちの食生活の一部分と化しているのです。」今期の話し手である作家の洪愛珠氏言うとおりである。台湾に属す日本料理、味は私たちの好みであり、食材も地元から選ばれ、記憶はこの土地に根付いている。台湾の味の日本食、それはすでに台湾独自の、誇るべき新たな料理の系譜となっているのである。
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