夏珪・溪山清遠図
/中国美術史・大師原典
上製
中信美術館/橋本健太 訳
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出版社:中信出版日本 |
出版年:2019年02月 |
コード: ISBN/ISSN 9784909874337 |
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<品切>
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夏珪、南宋の四大家の1人。 斧で岩石を切り開いたように描く大斧劈皴に長け、穂先のすり切れた筆に水をつけて描く技法は「拖泥帯水皴」と呼ばれる。 近景を際立たせた遠景は淡白な画法は力強さにあふれ、「墨の勢いに圧倒される」。 戦乱のあとに残された山水を暗示する残山剰水(ざんざんじょうすい)の作風で、夏珪は主題を画面の半分に描き、余白を多く残す構図を好んだため、「夏半分」とも称される。
溪山清遠図 紙本水墨、縦46.5cm、横889cm
見渡す限り晴れた空とその下の川岸の情景を描き、連綿と続く群峰、絶壁、生い茂る叢林、楼閣、長い橋、田舎の家屋、かやぶきの小屋、漁舟、遠くの帆船は輪郭こそ簡潔だが、忠実に形状をつかんでいる。 夏珪は墨色の変化をつけることに長け、濃墨から徐々に淡墨にしたり、墨水をにじませたり徐々にかすれさせたり、淡い色調の上に濃い色調を、濃い色調の上に薄い色調を加えたり、不断に変化をつけている。 広々とした構図、簡潔な運筆、簡素で洗練された墨の配色を駆使して、この上なく優美に、広大な湖と山が互いに照り映える景観を表現している。
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