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蘭亭序之謎 上 /行舟文庫 大唐懸疑録シリーズ
唐隠/立原透耶 監訳/大恵和実,根岸美聡,柿本寺和智 訳
出版社:行舟文化
出版年:2023年08月
コード:   436p   ISBN/ISSN 9784909735171
 
価格 1,320円
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時代ミステリの傑作「大唐懸疑録」シリーズ第一弾
重厚な史実とダイナミックな虚構。玄宗と楊貴妃以降の唐の時代は、日本人にはほとんど知られていないが、ぜひこの作品で知って愉しんでほしい――作家田中芳樹氏推薦!

・あらすじ
 元和年間、唐は憲宗の時代。皇帝の重臣・裴度の姪である裴玄静は、七歳で初めて殺人事件を解決して以来、地元では「女名探偵」として知られていた。しかし地方官僚だった父の死後、実子に家督を継がせたい継母の策略で故郷を追われ、玄静は叔父を頼って長安に向かう。そこで玄静は叔父の親友である時の宰相・武元衡の暗殺事件に遭遇する。殺される直前、正体不明の相手から繰り返し脅迫を受けていた武大臣は彼女の探偵としての評判を見込んで、周りに気取られぬよう暗号の形で「王羲之の『蘭亭序』に隠された秘密を解き明かし、皇帝や自分たちの命を狙う黒幕の正体と目的を暴いてくれ」と託していた。
 玄静は、長安に辿り着いた嵐の夜に出会い、共にある怪死事件に遭遇した医師・崔淼と共に王羲之とその一族に因縁ある土地を巡る旅に出ることになるが、実は崔はある人物が彼女を見張るため送り込んだ間者で――


【版元から一言】
担当編集が語る、この作品のここがスゴイ!①
「あまりにも互いを信用していない男女バディもの」

 本作は男女バディもので、玄静さんの事件捜査の旅に「訳アリなんですね、お供しますよ」とついてきてくれる、物腰柔らかでちょっと軽薄な優男の崔淼さんという人が相棒になるんですが、実は彼はある人から玄静さんを見張るよう命じられたスパイなんです。
 面白いのは、玄静さんは名探偵なので早々に「あれ? こいつなんか怪しくないか?」と勘づくわけです。さらに崔淼さんもなかなか推理力がある人で「あ、こいつ俺がスパイだって気づいてやがるな」と察するんです。
 その状態で、「ここで私がみんなの前でこう言えば、あいつはこっちの真意を分かって動いてくれるよな」だとか「ここらであいつは動き出すだろうから、先手を打ってこういう工作をしておくか」と、腹の読み合いをしながら旅を続けていくという、非常に風変わりなホームズ&ワトソンなんです。
 もちろん、互いに「こいつは賢いし、こういうところは好感持てるし、心底から悪い奴ではないな」みたいなある種の信頼・好意はずっと描かれてるんですけど、それはそれとしてずーっと主人公二人が腹芸を仕掛け合っている。なかなか聞いたことのない男女バディだと思います。

担当編集が語る、この作品のここがスゴイ!②
「『蘭亭序』という魅力的な題材」

 そもそも『蘭亭序』の謎、ってテーマが面白いんです。
『蘭亭序』とは、中国史上最高の書道の天才といわれた王羲之の、中でも最高傑作と言われながら真筆は現存しない、謎の多い作品です。のちの太宗・李世民がその書を愛するあまり「俺が死んだら一緒にお墓に埋めて!」と遺言し、どうやら実際に埋葬されたようなのですが、のちに墓陵の発掘調査をおこなっても出てこなかった曰くがあり、誰かが墓を暴いて盗み出したんじゃないかとか、本当は埋められていなくてのちの世に則天武后が持ち出したのだとか、すごいのだと「『蘭亭序』なんて書は最初からなかった」なんて珍説まであるそうです。
 本作では主人公たちが、死んだ大臣の残した暗号にいざなわれて王羲之とその一族に因縁ある土地を巡り、最後には歴代数百年にわたって時の権力者たちが欺き、あるいは欺かれた『蘭亭序』の真実が明らかになるわけなんですが、これがめちゃくちゃ面白いホワイダニットになってるんです。中国史や書道にそこまで興味を持ってこなかった人にも、楽しんでいただける作品だと思います。


目次:
自序――なぜ「大唐後期」を描くのか
『蘭亭序』の歴史的事実について
『蘭亭序』全文
楔子
第一章 迷離夜
第二章 刺長安
第三章 幻蘭亭
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