密教美術形成史の研究 北西インドを中心として
上製
安元剛
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出版社:起心書房 |
出版年:2019年03月 |
コード: 610p ISBN/ISSN 9784907022167 |
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「ガンダーラ仏」で知られる北西インドでは、東西文明のせめぎ合いの中で、密教の時代まで仏教が存続し、その影響は中国やチベットにまで及んだ。本書は、その密教美術の形成過程と思想的背景を総合的に分析した、わが国で初めての本格的研究書。世界史的視野から「密教美術の誕生」に迫る。図版多数。
目次: 口絵 はじめに─「人間学としての密教図像学」を目指して─ 凡例
第1章 ガンダーラ的古代からインド的中世へ ガンダーラ出土の大理石製菩薩頭部と、2世紀後半頃のローマ彫刻 タパ・ショトールにおける劇的場面の群像について 火焔を背にしたオェーショー=シヴァ ガンダーラ美術における忿怒形の神像について スワート・カシュミール地域のブロンズ像の様式的源流について
第2章 北西インドの密教美術 北西インドにおける密教図像の展開 変化観音の作例について 金剛手・金剛薩埵の作例について 『大日経』系毘盧遮那と金剛界五仏の作例について 女尊の作例について 印仏・印塔の作例について
第3章 密教美術伝播の諸相 スピティ・タボ寺の『大日経』系諸尊について 西チベットにおける地中海世界起源の唐草文について 「四種護摩本尊並眷属図像」における降三世マンダラ諸尊について 敦煌・雲南におけるチベット古密教系忿怒尊の作例について クメール美術における密教的要素について
第4章 大乗仏教から密教へ 『荘厳菩提心経』の菩提心説 ギルギット地域・タルパンの陀羅尼刻文と、観音「随心呪」について 金剛薩埵成就法としての聖衆来迎寺貝葉 『金剛王菩薩秘密念誦儀軌』と『降三世大儀軌王』 法身説法と金剛乗 仏涅槃と金剛乗
あとがき 英文目次 参考文献 索引
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