客家 エスニシティーの形成とその変遷
上製
瀬川昌久
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出版社:風響社 |
出版年:2021年12月 |
コード: 282p ISBN/ISSN 9784894893139 |
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民族的出自の坩堝・華南。その文化モザイクから、ある「民系」の自画像・他者像が作り上げられていく。克明な考察。
「ハッカ」の生成というエスニックな現象 多様な民族的出自によって織りなされる華南文化のモザイク。清末以後、顕著となる客家知識人による自文化への言及は、民衆や海外との呼応・共振によって、やがて鮮明な自画像・他者像を生み出した。そしてそれは21世紀の今日、新たな展開を見せつつある。「エスニシティー現象」という人類史の普遍的課題への細密な考究。
目次: 序
第一章 宗族、械闘、海外移住──清末珠江デルタ西部地域における「客」と「土」 一 はじめに 二 清代中期までの歴史的背景 三 土客械闘 四 宗族の形成・発展と械闘 五 械闘と海外移住 六 宗族組織と海外移住 第二章 円型土楼──福建省南西部地域における家屋建築と客家 一 はじめに 二 客家宗族の形成過程と円型土楼 三 円型土楼と客家エスニシティー 四 福建省西部地域における宗族形成と客家エスニシティーの生成 第三章 客家語──言語からみた客家のエスニック・バウンダリーについての再考 一 はじめに 二 羅香林の客家語研究とその影響 三 客家語の系統論争 四 「客家語話者」の境界確定とショオ族の存在 五 客家語の多様性 第四章 「客」概念と「客家」──海南島儋州・臨高地区におけるエスニシティーの重層構造 一 はじめに 二 文化的モザイク地帯――海南島西部地区 三 各方言話者グループの特色 四 考察──「客」概念と客家 第五章 客家アイデンティティーの形成──近現代「客家系著名人」に関する再考から 一 はじめに 二 民国期政治軍事著名人と客家──広東省出身者を中心として 三 孫中山の祖籍について 四 客家系著名人言説の生成 第六章 客家のイメージ形成──中国、台湾、日本の学術書ならびに一般書にみるその過程 一 はじめに 二 客家特殊論の特徴 三 客家特殊論の超克 四 一九九〇年代以降の実証研究 五 到達点と展望 第七章 客家エスニシティーの動態と文化資源 一 はじめに 二 客家正統漢族論の系譜 三 正統漢族論への批判的客家研究 四 もうひとつの客家──マイノリティーへの指向 五 第三の客家像? 地方文化集団としての客家 六 文化集団としての客家とアイデンティティーの展開 第八章 客家論の人類学 一 はじめに 二 「民族」についての語りの文法 三 ナラティブの魅力と学術研究
跋 引用文献 索引
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