台湾原住民族研究の足跡 近代日本人類学史の一側面
上製
笠原政治
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出版社:風響社 |
出版年:2022年02月 |
コード: 346p ISBN/ISSN 9784894893061 |
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100年にわたる研究史の骨格を示す 先駆者・伊能嘉矩、踏査の鬼・森丑之助、人類学の巨人・馬淵東一らが繋いだ研究の松明、それは同時に、日本人類学の骨格にも至る、濃密な現地/人との交流でもあった。 本書は、その後を繋いできた著者による研究の「集大成」であり、「温故知新」すなわち研究史の総括・初学者への入門書でもある。
目次:
序
●第一部 総論
第一章 台湾原住民族研究小史──文化人類学を中心に 一 清国時代までの記録(─一八九五年) 二 日本統治時代(一八九五─一九四五年) 三 第二次世界大戦後(一九四五年―)
●第二部 先駆者 伊能嘉矩
第二章 伊能嘉矩とその時代──初期研究史への測鉛 一 序──伊能嘉矩への関心と無関心 二 人類学を学ぶ 三 在台十余年 四 山地および東部の原住民族調査について 五 原住民族研究の業績について 六 文化人類学の源流
第三章 台湾原住民族を俯瞰する──伊能嘉矩の集団分類をめぐって 一 台湾全島調査 二 『台湾蕃人事情』と「種族」の分類 三 原住民族を俯瞰する 四 「熟蕃」・「生蕃」と平埔族 五 その他の問題 六 鳥居龍蔵の原住民族分類 結 語
第四章 伊能嘉矩の原住民族分類における諸種の資料源 一 清国時代の漢語文献 二 ジョージ・テイラーの分類 三 二人の日本人研究者による東部原住民族の分類 結 語
●第三部 森丑之助――忘れられた研究家
第五章 森丑之助と台湾原住民族の分類 一 森丑之助の原住民族研究 二 種族の分類、種族内部の分類 三 問題点 結 語
第六章 師・友人・訪問者たち──森丑之助の研究を支えた人びと 一 森丑之助を学術探検に導いた台湾研究の先駆者たち 二 台湾における交友関係 三 訪問者その他
第七章 佐藤春夫が描いた森丑之助 一 大正九年夏、台北 二 佐藤春夫の台湾旅行 三 「霧社」に描かれた森丑之助 四 「魔鳥」その他 五 その後の消息
●第四部 『台湾高砂族系統所属の研究』を読む
第八章 名著『台湾高砂族系統所属の研究』をどう読むか(前篇) 一 小さな研究室 二 実地調査(一九三○―三二年、昭和五―七年) 三 執筆の分担について 四 続いた「嘱託人類学」
第九章 名著『台湾高砂族系統所属の研究』をどう読むか(後篇) 一 刊行以後 二 資料としての系譜と口碑 三 移動の跡を探る 四 「高砂族の移動および分布」 結 語
第十章 馬淵東一とエスノヒストリーの研究 一 原住民族の調査に没頭した一九三○年代 二 『系統所属の研究』にどれだけ貢献したのか 三 社会人類学へ 四 「高砂族の移動および分布」について 五 原住民族の分類 結 語
●第五部 ルカイ(魯凱族)研究史─南部山地住民の分類をめぐって
第十一章 幻の〈ツァリセン族〉 一 「私たちはどの〈族〉なのか」 二 伊能嘉矩と「ツァリセン族」 三 「パイワン族」に含められて
第十二章 〈ルカイ族〉の誕生以後 一 台北帝国大学が創設されて 二 『台湾高砂族系統所属の研究』とルカイ(魯凱族) 三 鹿野忠雄の分類 四 第二次世界大戦後の研究 結 語
謝辞
参照文献/図表一覧/索引
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