家族・民族・国家 東アジアの人類学的アプローチ
/人類学集刊
上製
韓敏 編
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出版社:風響社 |
出版年:2019年03月 |
コード: 426p ISBN/ISSN 9784894892637 |
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家族の言説と実態、「民族」構築の理論的系譜、国家・社会関係のパラダイムの3方向から動態を見据え、新たな分析枠組みを提示。 21世紀の中国研究に新たな視座を提示 ダイナミックな転換期に立ちつづける中国。本書は、家族のディスコースとその実態、「民族」構築の理論的系譜、国家・社会関係のパラダイムという3方向からその動態を見据え、新たな分析枠組みを提示。日・中・韓・米、台湾、香港の人類学者による民博共同研究の成果。
目次: 序文 中国文化における家族・民族・国家のパラダイム(韓敏) 一 人類学と歴史学の視点からみる東アジアの家族 二 民族のディスコースと文化のフロー 三 国家と社会のパラダイム 結論
●第一部 人類学と歴史学の視点からみる東アジアの家族 第一章 中華漢族の家族と家――東アジアの人類学的調査から見えるもの(末成道男) はじめに 一 東アジア四社会の家 二 家に関する中華モデルと周辺モデル 三 方法論についての考察
第二章 中国の宗族と家族千年史――江西省と広東省の事例から(賀喜、デビッド・フォール/横田浩一訳) はじめに 一 江西省吉安 二 広東省広州 結論
第三章 日本統治時代における台湾郷紳宗族の婚姻モデルと婚姻圏――新竹北埔の姜氏宗族を事例に(荘英章/星野麗子訳) はじめに 一 北埔姜氏宗族の台湾移住とその発展 二 北埔姜一族の嘗会組織と祭祀圏 三 姜氏一族の婚姻モデルと婚姻圏 結論
第四章 文化の持続性、民族の融合とグローバルの視点から見る中国の家族(麻国慶/舒亦庭訳) はじめに 一 家族――文化と社会の継続性を担うキャリア 二 家族と民族の関連性 三 トランスナショナルなネットワークとグローバル化の背景にある家族 結論
●第二部 民族のディスコースと文化のフロー 第五章 漢文化の周辺異民族への「生/熟」分類(周星/宮脇千絵訳) はじめに 一 「五方之民」の中の「天下」構造 二 「文化英雄」の記憶について 三 正史に記載されている異民族の「生/熟」分類 四 民族「生/熟」論 結論
第六章 モンゴル民族のシャーマン文化の伝承および保護に関して(色音/白福音訳) はじめに 一 モンゴル民族におけるシャーマニズムの形成及び発展 二 モンゴル族シャーマン文化の歴史伝承 三 シャーマン文化の保護 結論
第七章 北タイ雲南華人の家族、教育と民族的アイデンティティ(黃樹民/湯紹玲訳) はじめに 一 北タイの華人ディアスポラのコミュニティの形成 二 タイのディアスポラに関する研究テーマ 三 研究方法 四 メーホン村 五 北タイ雲南華僑の変化と存続 結論
第八章 中国少数民族教育とカナダ先住民教育の比較(彭雪芳/宮脇千絵訳) はじめに 一 カナダ先住民と非先住民の教育格差 二 カナダの先住民教育発展の歴史的過程 三 中国少数民族教育の発展と歴史過程の概略 四 中国少数民族の教育現状――西部地区を例に 五 中国とカナダにおける民族教育の共通点と相違点 六 民族文化伝承の重要な手段としての学校教育 結論
第九章 ベトナム客家の神祇祭祀と景観建設――ホーチミンの観音閣を事例として(河合洋尚・呉雲霞) はじめに 一 ベトナム客家の概況 二 ホーチミンにおける「客家聖地」の創造 結論
●第三部 国家と社会のパラダイム 第一〇章 国家・社会の関係から文化の政治学を考察する――中国における人類学的研究の概観(金光億/奈良雅史訳) はじめに 一 国家と社会の関係 二 中国研究における国家と社会 三 現代中国における宗族研究の国家―社会モデル 結論
第一一章 清代台湾におけるエスニシティと郷紳エリート――一八〇三年の孔子廟再建を事例として(マイロン・コーエン〈Myron L.Cohen〉/河合洋尚訳) はじめに 一 孔子廟の石碑にみるエスニック・グループ間の葛藤 二 客家の寄付者リストにみる祖先 三 祖先祭祀集団からの寄付 四 客家の祖先祭祀集団 五 客家―福佬間の対立 六 客家の石碑と福佬の石碑の比較 結論
第一二章 文字と権威――中国の公共的社会空間における毛沢東題字の可視化(韓敏) はじめに 一 題字へのアプローチ 二 公共的空間における毛沢東題字の出現 三 毛沢東題字の分類 四 現代中国における毛題字の存続とその意味の変化 結論
第一三章 「蜂の巣型社会」――中国の経済と社会の構造転換を観察する新概念(張継焦/林茉莉訳) はじめに 一 研究の仮説、理論的根拠および実証材料の出処 二 理論的根拠と基本的な考え方 三 「蜂の巣型社会」の構造と機能 四 結論
第一四章 費孝通「差序格局」(『郷土中国』)精読の記録(佐々木衞) 一 はじめに 二 『郷土中国』の社会学的パースペクティブと本稿の目的 三 翻訳上の問題 四 結論 追補──精読の試み(末尾注記参照) 編者あとがき 索引
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