日本と中国の家族制度研究
/人類学集刊
上製
首藤明和,王向華 編
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出版社:風響社 |
出版年:2019年03月 |
コード: 474p ISBN/ISSN 9784894892613 |
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社会学・人類学・民俗学・歴史学・思想史の多彩な知見が家族の営みに分け入り、当事者の視覚や社会との交点をつぶさに論議 人間にとって「家族」とは何か 社会学・人類学・民俗学・歴史学・思想史の多彩な知見が、「イエ」「jiāzú」「family」の「営み」に分け入り、当事者(=家族)の視覚や社会との交点をつぶさに論議。色あせぬ座標軸となった香港大学の国際シンポジウムの成果。
目次: 緒言(編者) ●第一部 日本の家 「西洋」を乗り越えて─「家(イエ)」は血縁集団ではない(Harumi Befu) 日本の家・再考─東アジア稲作社会の視点から(藤井勝) はじめに 一 日本における家の研究 二 東アジアと日本 三 稲作社会と村(ムラ) 四 稲作社会と家 結びにかえて
日本農村における「家」――明治民法施行前の東北地方農村(細谷昂) はじめに 一 家の形成 二 直系家族からなる「家」と後継者 三 非後継者の運命 四 農業労働力の調達方法 おわりに
仏教寺院と家(森本一彦) はじめに 一 先祖祭祀と仏教寺院 二 家族関係からみた半檀家 三 入家者からみた半檀家 四 入家者の仏教寺院の変更 五 入家者の仏教寺院の継承 六 婚姻形態からみる仏教寺院の継承 七 移動直後以外での仏教寺院の変更 八 半檀家から一家一寺へ まとめ
日本のハイブリッドモダンと「常民」「タテ社会の人間関係」の再考――近世被差別民の民俗文化及び「草場株」など郷を基盤とした社会結合の分析から(首藤明和) 一 日本のハイブリッドモダンはいかなる社会や文化か――その特徴と課題 二 日本近代の人間類型「常民」の再考――被差別部落の民俗文化を通じて 三 日本近代の組織モデル「タテ社会の人間関係」の再考―─近世被差別民の社会結合を通じて 四 日本のハイブリッドモダン再構築に向けての課題と展望
家と近代化─柳田国男の家族論をとおして(宋金文) はじめに 一 農民「貧困化」の問題─近代農民貧困化の性格と時代背景 二 家族制度の変化─近代の小規模家族の単純化の問題 三 家族の変化と人々の内心世界の問題 四 家族の位置づけ─理想的な農村生活様式の構築をめざして 五 結論
有賀喜左衛門の民族的性格論と家・村論(高橋明善) はじめに 一 有賀理論の流れと民族的性格 二 有賀社会学における家・村理論とその変化 おわりに
近世都市の大商家における家・同族――三井を事例として(多田哲久) はじめに 一 事例紹介 二 暖簾の授受関係と別家 三 三井の暖簾内の全体像 四 三井の家・同族の特質 おわりに
伝統の再創造――家と会社(王向華/訳:首藤明和・岸保行) はじめに 一 会社の概念 二 永遠の存在としての会社 三 至上の存在としての会社 四 会社と経営者 五 会社と社員 六 自然人の顔をした法人 七 会社の閉鎖性と偏狭性 八 現代版トーテミズム 九 株としての家 一〇 家と会社 結論
●第二部 中国の家族 家族・社会・国家─―伝統中国における「家国」意識の形成とその超克(陳其南/訳:首藤明和) はじめに 一 伝統儒家「仁学」における「家族意理」と社会国家観 二 世俗社会における「家族意理」の実践化 三 伝統儒学による「家族意理」の顛覆 四 晩清の「群学」諸家と「家族意理」の超克 結語
漢人親族の再考─台湾農村の人々の「好命」(幸運)と家屋の分析を通じて(林瑋嬪/訳:首藤明和) はじめに 一 漢人親族に関する先行研究 二 万年村と父系出自 三 ライフサイクル儀礼と身体構成物質の流れ 四 日常の実践にみる「幸運」(ho mia:好命)の観念 五 家屋と親族 結論
方法論的相対主義はいかにして可能か――台湾における親族研究から(王向華・邱愷欣/訳:首藤明和・岸保行) 一 「房」と「家族」 二 「気」と「形」 結論
●第三部 日本の家と中国の家族 日本と中国の家族制度比較研究―─親密圏再考のための基礎として(首藤明和) 一 家・同族の「対内的関係(生活)――対外的関係(支配)」からの考察 二 家制度に規定された相続制度 三 非親族を含んだ家・同族から家族中心の家・同族へ 四 中国の房と宗族にみる系譜観念と相続制度 五 中国の系譜観念と相続制度の「生活」と「支配」からの考察 六 系譜観念に対抗的相補的な死生観と女性の社会圏 七 親密圏の再考と再構想のための家族制度研究
「器」としてみる家族──東アジア・日本からの家族概念への問い(中村則弘) はじめに 一 家族の捉え方をめぐって 二 福井市内の農村地域の事例から 三 H家―S1からみた家族について 四 「器」としての家族 おわりに あとがき(首藤明和) 索引
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