〈客家空間〉の生産 梅県における「原郷」創出の民族誌
上製
河合洋尚
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出版社:風響社 |
出版年:2020年02月 |
コード: 366p ISBN/ISSN 9784894891029 |
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客家はいかにして〈客家〉となったか 作られた領域、観念としての民族は、やがて「空間」となり「文化」を形成していく。不断に繰り返されるこの「民族・文化」創出のメカニズムを「原郷」の凝視により解明、注目の空間論的アプローチとその展開。
目次: まえがき
注記──凡例に代えて
序章 本書の視点と方法――客家文化研究から空間論へ 一 問題提起 二 客家文化概念の生成 三 空間論的視座の導入 四 〈空間〉と〈場所〉をめぐるアプローチ
第一章 政策――華僑のまなざし、「原郷空間」の創出 一 梅県と梅州市 二 海外への移住と華僑ネットワークの形成 三 客家文化政策の推進と「原郷」の建設 四 客家文化の表象と〈客家空間〉の生産
第二章 宗族――客家言説と「親族」カテゴリー 一 客家の宗族をめぐる言説 二 張氏の系譜と宗族意識 三 宗族の復興と祖先崇拝活動の変化 四 比較と考察――宗族の二重原理を解読する
第三章 儀礼――正月半をめぐる表象と実践 一 客家の年中行事と正月半 二 梅州市における「閙元宵」の表象 三 張氏における正月半の実践 四 比較と考察――儀礼と〈場所〉の生成
第四章 風水――客家文化としての表象、住まうことの実践 一 客家文化と風水思想 二 客家風水に関する研究史とその表象 三 囲龍屋における「風水」の実践と実践知 四 考察――客家風水と「看屋場」のはざまで
第五章 景観――都市開発と文化遺産実践 一 梅県における都市開発の推進 二 客家らしい都市景観の創出 三 宗族による囲龍屋の保護活動 四 考察――〈場所〉と〈空間〉のダイナミズム
第六章 信仰――客家神をめぐるポリティクス 一 客家文化と宗教・信仰 二 梅県における宗教景観の創造 三 信仰の記憶、〈場所〉の再生成 四 考察――信仰の〈場所〉から〈客家空間〉へ
第七章 墓地――歴史の資源化と「親族」の再構築 一 客家の歴史、宗族の歴史性 二 楊氏による宗族広場の建設と客家文化 三 秋祭りにみる実践知とネットワーク 四 考察――墓がつくる「親族」ネットワーク
終章 客家文化研究の空間論的転回へ向けて 一 総括――梅県における〈客家空間〉の生産 二 展望――客家文化研究における新たな視点と方法
あとがき 参考文献 索引
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