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日中漢字文化新論
松尾善弘
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出版社:22世紀アート/日興企画発売 |
出版年:2023年06月 |
コード: 112p ISBN/ISSN 9784888772198 |
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もともとは「文字wénzìウェンズー」と呼ばれ、13世紀末に蒙古族が中国を征服し元朝を興したときに蒙古文字と区別する意味で呼称されるようになった「漢字」は、伝来した日本でも「漢字(かんじ)」と呼ばれ今日に至っている。しかし漢字の字体は同じでも中国語音で読めば中国の漢字となり日本語漢字音で読めば日本の漢字になるのであって、「漢字は表意文字である」という「まやかし」に騙されて日・中漢字を同一視したり混同するケースが散見される。本書は、そうした現状に対して、長年「漢字の研究」をライフ・ワークとしてきた著者が、『唐詩鑑賞法』や『日中漢字・漢語・漢詩・漢文論』などの著作に続き、日本の漢字文化を維持し発展させるために、中国語の表記道具である漢字・漢語と、それを使って表現された文学作品である漢詩・漢文を、ことばの根元に立ち戻って理解・鑑賞すべきことを語源や個々の作品を繙きながら分かりやすく解説した作品。
目次: まえがき 一章 漢字新論 1. 漢字・漢語・漢文の新定義 2. 漢字の字源と語源 3. 漢字の本質「四多六難」 4. 表意文字VS表語文字 5. 个とケ 6. 娘と嬢 7. 谢&謝 8. △△的△△ 9. 与(ヨ)&与(YǓ) 10.人名漢字の混乱 11.訓読漢字学者・白川静氏批判 コラム(1) 何気なく入学した漢文学科で漢文に出会う 二章 漢語新論 1.カタカナ語化したもと漢語 (1) 『ペケとペテン』の漢語ルーツ (2) マージャン (3) ゆタンポ&チャンコなべ (4) あんぽんたん (5) トンチンカン&トンテンカン (6) チンプンカンプン (7) 麻婆豆腐(マーボドウフ) (8) ジャパン&ニッポン (9) タンポポ (10)ハオツー(好吃)のショーロンポー(小籠包) 2.おもしろ漢語(日本漢字語) (1)烏賊(いか) (2)瓜 (3)「赤子(あかご)」=「緑子(みどりご)」? (4)「有難(難(なん)あり)」VS「難有(有り難(がた)し)」 (5)言明&厳命 (6)奉仕活動 コラム(2) 影響を受けた恩師について 三章 漢文新論 1. 漢文学という虚学 2. 「開門見山(かいもんけんざん)」 3. 漢文訓読法の功罪 4. 「矛盾(むじゅん)」 5. 「守株待兎(しゅしゅたいと)(株(くいぜ)を守って兎を待つ)」 6. 「朝三暮四」 7. 「效顰(コウヒン)(ひそみにならう)」 8. 「性善説」VS「性悪説」 9. 「温故知新」 10.「直躬(ちょくきゅう)」説話(1) 11.「直躬(ちょくきゅう)」説話(2) 12.「刻舟求剣(舟(ふね)に刻(きざ)みて剣(けん)を求(もと)む)」 13.「下学上達(下学して上達す)」 14.「学びて時に之を習ふ」 15.『論語』の「時」の解釈について 16.尊孔論と批孔論 コラム(3) 〔A〕新中国の言語政策 〔B〕日本漢字文化の虚飾性 四章 漢詩新論 1.漢字ならべ詩 2.押韻(おういん)&平仄(ひょうそく) 3.五絶句の平仄式とリズム 4.わが国の唐詩解説の「十大うそ」 (1) 「押韻」を日本漢字音で説明する「うそ」 (2) 「平仄」を字面(じづら)からのみ説明する「うそ」 (3) 句末に「、」と「。」をつけない「うそ」 (4) 漢詩の構成を「起承転結」のみで説明する「うそ」 (5) 平仄型の「起り」のみを言う「うそ」 (6) 「踏み落し」と言う「うそ」 (7) 「二四不同二六対」のみを金科玉条にする「うそ」 (8) 「禁忌事項」の説明ができない「うそ」 (9) 「対句三条件」を認知しない「うそ」 (10)漢字は表意文字であるという「うそ」 5. 「静夜思(せいやし)」VS「夜思(やし)」 6. 空海の離合漢詩 7. 「涼州詞(りょうしゅうし)」(唐)王之渙を読み解く 8. 「寒山詩」の解釈をめぐって 9. 獄中漢詩二首 10.漱石漢詩(二首)を読む 13.菅原道真の漢詩を読む 14.虫食い漢詩を蘇らせる おわりに 著者略歴
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