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満漢合璧版『古新聖經』の研究
竹越孝,斉燦,余雅婷,陳暁
出版社:好文出版
出版年:2021年04月
コード:   260p   ISBN/ISSN 9784872202281
 
価格 3,300円
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本書はイエズス会士ポワロ(Louis Antoine de Poirot賀清泰,1735-1813)による聖書翻訳の一バージョンである満漢合璧版『古新聖經』ロシア科学アカデミー東方文献研究所蔵を対象とする研究である。同本のローマ字転写・校注と、満洲語・漢語の語彙索引、及び4篇の研究論文からなる。

本書が対象とする『古新聖經』は、これまで知られていたどのテキストとも異なり、満洲語と漢語の並置対訳(合璧)形式であることを特徴とする。
満漢合璧版の原本はロシア科学アカデミー東方文献研究(所蔵所蔵番号 C.11mns)鈔本一冊全101葉。朱で印字された四周双辺毎半葉11行の罫紙を用い罫を中心線として満洲語・漢語各5行が記される。内容は「如達國衆王經尾増的總綱・卷壹下」の「第十三篇」から「第二十九篇」まで即ち旧約聖書における「歴代誌上」第13章から第29章までに対応する。
ポワロの『古新聖經』が東アジアの聖書翻訳史において欠かすことのできない重要性を持ち、漢語史・満洲語史の面からも貴重な資料であることは言を俟たないが、このたび満漢合璧版が発見されたことによって同書をめぐる研究は新たな段階を迎えたと言える。同一人物の手になる翻訳とはいえ、これまで漢語版と満洲語版とは互いに独立したものとして扱われてきたが、満漢合璧版は、漢語版、満洲語版双方の現存テキストと校合することを可能にし、その成立過程とともに、満洲語訳と漢語訳はいかなる関係を有するかという新たな問題を提起する。いわば、満漢合璧版の出現によって『古新聖經』の漢語版と満洲語版は架橋されたことになる。

本書の目的は、満漢合璧版『古新聖經』の全体像を示し、今後の研究の足がかりとなる素材を提供することである。同本の満洲語部分をローマ字転写し、日本語の逐語訳を付すとともに、漢語部分を迻録する形でその全容を再現し、かつ満洲語部分は東洋文庫蔵本、漢語部分は徐家匯蔵書楼蔵本との校合結果を注記した。

これはかつて竹越等2017-19として発表し、今回新たに整理と修訂を加えたものである。また、満洲語と漢語の語彙索引を付すとともに満漢合璧版の成立、漢語の語彙文体そして翻訳論をめぐる論考を加えている。

満漢合璧版は、ポワロの遺した『古新聖經』の全体から見ればごくわずかな範囲をカバーするものに過ぎないが、決して軽視できない重要な問題を我々に問いかける。本書によって、この分野の研究を少しでも促進することができれば幸いである。


目次
Ⅰ.テキスト編
満漢合璧版『古新聖經』ローマ字転写と校注
満洲語索引
漢語索引
Ⅱ.論考編
満漢合璧版『古新聖經』の成立について(竹越孝)
満漢合璧版『古新聖經』における漢語語彙の様相(陳暁)
满汉合璧版《古新圣经》文体研究(齐灿)
Mutual encounters and linguistic exchanges: De Poirot’s translation of the Bible and the role of rhetoric in shaping language and readership(Ya-Ting YU)あとがき(竹越孝)
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