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日本語表現力と批判的思考力を育むアカデミック・ライティング教育 中国の大学の日本語専攻における対話を生かした卒業論文支援を例に /日本語教育学の新潮流23 上製
楊秀娥
出版社:ココ出版
出版年:2018年11月
コード:   352p   ISBN/ISSN 9784866760117
 
価格 3,960円
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日本語学校には再履修という制度が存在する。学習者はなぜ再履修となり、また、それによってどのような影響を受けるのか。本書では、特に中国人日本語学習者に焦点を当て、彼らの学習動機の形成プロセスを修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ(M-GTA)によって理論化する。また、教師が再履修者をどう捉えているかについても分析。両者を通し、日本語教師や日本語学校のあり方を考える。なお、本書はM-GTAによる分析過程を非常に丹念に記述している。今後のM-GTAを用いた日本語教育研究の道標となるだろう。

目次:
第1章 本研究の位置づけ
 1 はじめに
 1.1 「教室の風景」
 1.2 本研究に至るまで
 2 外国人留学生の現状
 2.1 日本における留学生の受け入れに関する政策
 2.2 留学生10万人計画とこれまでの留学生の受け入れに関する政策
 2.3 留学生30万人計画に関する動向
 2.4 就学生を取り巻く状況
 2.5 中国人日本語学習者の多様化
 3 中国人日本語学習者に関する先行研究
 3.1 中国人就学生に関する先行研究とその視点
 3.2 新・新人類という視点からの質的研究
 3.3 中国人就学生に対する支援に関する研究
 3.4 第二言語教育における動機づけに関する研究
 3.5 日本語教育における動機づけに関する研究
 4 本研究の位置づけ

第2章 再履修者のインタビューデータを用いたM-GTAによる学習動機の分析
 1 本研究の方法論
 1.1 質的研究法
 1.2 本研究で質的研究法を用いる理由
 1.3 質的研究法の特徴
 1.4 質的研究法の信頼性と妥当性
 1.5 信頼性と妥当性の確保
 1.6 修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ
 2 調査協力者と調査方法
 2.1 サンプリング
 2.2 本研究のフィールドと調査協力者について
 2.3 調査協力者
 2.4 インタビュー
 3 分析
 3.1 学習動機に関するカテゴリーの形成
 3.2 過渡期の概念とカテゴリー
 3.3 再履修期の概念とカテゴリー
 3.4 全過程に通じるカテゴリー
 4 構成された理論のストーリー
 5 理論の構成に関する考察
 5.1 自立心に関するカテゴリー
 5.2 学習の場の移行に関するカテゴリー
 5.3 両親からの期待に関するカテゴリー
 5.4 クラスメートとの関係に関するカテゴリー
 5.5 教師とのインタラクションに関するカテゴリー
 5.6 学習性無力感と原因帰属に関するカテゴリー

第3章 ケース・スタディによる再履修者の日本語学習の分析
 1 はじめに: 授業観察によるケース・スタディを行う目的
 2 方法論と調査協力者
 2.1 方法論
 2.2 調査協力者と分析方法
 3 分析結果: 授業観察データによるケース内分析
 3.1 学習者瑩さんのケース
 3.2 学習者愛さんのケース
 3.3 学習者彦さんのケース
 4 考察: ケース間分析
 4.1 再履修者の実態と教師が捉える再履修者
 5 第2章で得られた理論1との統合
 5.1 再履修期のカテゴリー群の再編
 5.2 過渡期のカテゴリー群と全過程に通じるカテゴリー群の再編
 6 M-GTAによるインタビューデータの分析
 6.1 【日本語学習に関する不安から生じる学習動機の減退】
 6.2 【両親の期待に対する不安から生じる学習動機の減退】
 7 M-GTAによって得られた理論1の再構築
 7.1 【日本語学習に関する不安から生じる学習動機の減退】
 7.2 【両親の期待による学習動機への影響】

第4章 教師のインタビューデータを用いたM-GTAによる教師の対応の分析
 1 はじめに: 教師のインタビューデータを分析する目的
 2 調査方法と分析方法
 2.1 調査方法と質問項目
 2.2 分析方法
 3 分析結果
 3.1 〈再履修者へのネガティブな評価〉と[教師が取る対応](対応1)
 3.2 〈つかみどころがない〉と[教師が取る対応](対応2)
 3.3 [特に何もしない]
 3.4 [再履修者をポジティブに捉えようとする]
 3.5 [再履修者問題の原因帰属]
 4 理論のストーリー
 5 考察: 教師の対応と再履修者問題の原因帰属に関する考察
 6 理論2との比較と理論の再構築
 6.1 [教師の再履修者像]の理論2への統合
 6.2 [教師が取る対応]に関するカテゴリーの再編と
 理論2への統合
 6.3 [特に何もしない]に関するカテゴリーの再編と
 理論2への統合
 6.4 [再履修者問題の原因帰属]と[再履修者を
 ポジティブに捉えようとする]の理論2への統合

第5章 考察
 1 これまでの分析結果について
 2 学習動機の変遷の理論
 2.1 過渡期のカテゴリー群について
 2.2 再履修期のカテゴリー群
 2.3 全過程に通じるカテゴリー群
 3 考察
 3.1 学習動機の変遷に関する複雑系理論
 3.2 動機づけ研究に求められるもの
 4 提言
 4.1 教師や日本語学校への提言
 4.2 教師への提言のまとめ
 5 今後の課題

第6章 日本語学習者の卒業論文作成のプロセス
 1 分析対象の選択
 2 学習者の「読みの検討」活動での学び
 2.1 「読みの検討」活動を設計する背景
 2.2 課題論文とタスクシート
 2.3 分析データ
 2.4 分析結果①:論文スキーマの形成・拡大
 2.4.1 論文の構成
 2.4.2 論文の言語使用
 2.5 分析結果②:批判的な読みの学び
 2.5.1 学習者が注目した点
 2.5.2 学習者の自己評価
 2.6 本節のまとめ
 3 学習者のテーマ調整のプロセス
 3.1 テーマについての先行研究
 3.2 用語の定義と分析方法 
 3.2.1 用語の定義
 3.2.2 分析方法
 3.2.3 テーマ調整の分析例
 3.3 テーマ調整のプロセスについての分析結果
 3.3.1 テーマ調整の様相
 3.3.2 テーマ調整の規範及び規範が
 顕在化・生成される要因
 3.4 テーマ調整のプロセスの具体例
 3.4.1 学習者Liのテーマ調整のプロセス
 3.4.2 学習者Rのテーマ調整のプロセス
 3.5 テーマ調整に関する考察
 3.5.1 「調整」、「規範」及び「要因」に関する特徴
 3.5.2 テーマ調整プロセス
 3.6 本節のまとめ
 4 思考力と表現力から捉える学習者の学び
 4.1 「読みの検討」活動から見る学習者の学び
 4.2 テーマ調整プロセスから見る学習者の学び
 5 本章のまとめ

第7章 日本語学習者の卒業論文作成に対する意味付け
 1 卒業論文作成の意味を考える2週目の様子
 1.1 配布資料を読んだ学習者の考え
 1.2 卒業論文の意味をめぐる教室内での話し合い
 2 学習者が行った卒業論文作成に対する意味付け
 3 学習者の卒業論文作成に対する意味付けの変容プロセス
 3.1 分析方法
 3.2 学習者Liが意味付けを深化・生成するプロセス
 3.3 学習者Wが意味付けを深化するプロセス
 4 卒業論文作成が卒業1年後の学習者に与える影響
 4.1 調査と分析の概要
 4.2 分析結果
 5 本章のまとめと考察
 5.1 本章のまとめ
 5.2 卒業論文作成に対する学習者の意味付け
 5.3 卒業論文作成に対する意味付けの変容プロセス

第8章 総合考察と今後の日本語専攻教育における卒業論文支援、
 今後の日本語専攻教育に向けた提言
 1 卒業論文作成と卒業論文支援についての総合考察
 1.1 卒業論文作成の捉え直し
 1.1.1 学習者の学びについての整理
 1.1.2 「思考と表現の経験の構築」としての卒業論文作成
 1.1.3 卒業論文作成における経験の連続性と相互作用
 1.2 支援活動の意味
 1.2.1 学習者が思考と表現を継続して経験する場
 1.2.2 教室外における学習者の研究実践を連動させる場
 1.2.3 学習者のメタ的な認識を支援する場
 1.2.4 教師と学習者が対等に対話する場
 1.2.5 学習者の仲間と対話する意識が芽生える場
 1.2.6 教師と学習者が学びあう場
 1.3 本節のまとめ
 2 今後の卒業論文支援に向けた提言
 2.1 日本語専攻教育に卒業論文は必要なのか
 2.2 卒業論文の位置付けの再認識
 2.3 支援体制の確立
 2.4 支援目標の再考
 2.5 支援方法の探索
 2.6 本節のまとめ
 3 今後の日本語専攻教育に向けた提言
 3.1 日本語専攻教育に対する反省
 3.1.1 学習者の思考と表現の経験が構築されない
 日本語専攻教育
 3.1.2 外国語専攻教育における「外国語=道具」論の影響
 3.2 日本語専攻教育の位置付けの再確認
 3.3 カリキュラムの改革
 3.3.1 ゼミの新設
 3.3.2 AW授業の新設
 3.3.3 既存科目の見直し
 3.4 教師への要請と教師に対する支援
 3.4.1 教師による教育観の自覚と更新
 3.4.2 教師研修の展開
 3.5 本節のまとめ
 4 本章のまとめ

第9章 結論
 1 本研究のまとめ
 1.1 問題の所在と研究課題の設定(第1章)
 1.2 卒業論文作成の支援活動の設計と実施(第2章~第5章)
 1.3 学習者の学びのプロセス(第6章、第7章)
 1.4 卒業論文作成と卒業論文支援についての総合考察
 (第8章第1節)
 1.5 今後の卒業論文支援、日本語専攻教育への提言
 1.5.1 今後の卒業論文支援への提言(第8章第2節)
 1.5.2 今後の日本語専攻教育への提言(第8章第3節)
 2 本研究の意義
 3 今後の課題

あとがき
参考文献
付録
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