暁鐘 「五・四運動」の炎を点けし者 革命家 李大釗の物語
大川純彦
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出版社:藤田印刷エクセレントブックス |
出版年:2019年04月 |
コード: 234p ISBN/ISSN 9784865380903 |
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ロシア革命が起こって一世紀余、その世界的な反響の一つに「民族自決」の原則がある。その思想的衝撃に呼応するように、朝鮮の三・一独立運動や中国の五・四運動が一九一九年に起こって百年が経つ。(略) 今なぜ中国革命なのか、李大釗らの歩みに言及する価値はあるのか。 ロシア革命に希望を見出した李大釗たちの思いは、今から見れば虚妄な夢に憑かれた愚行と極言する人もあろう。しかし二十世紀は、中国ばかりではなく地球上の多くの地で、李と同じく人間解放の夢を追い、社会の進歩に献身していった人々がいたことも歴史的事実である。 その夢の内実は問われるにせよ、少数の権力者が多数の人々を抑圧するところがある限り、一部の民族が他の民族を隷従させる地域がある限り、そこから起ち上がろうとする人々の夢そのものを押しつぶすことはできない。その夢は、今日においても、明日の世界であっても、搾取と貧困、差別と偏見を人間として受け入れがたいと感じる人が存在する限り紡がれていくであろう。 米軍による被占領下の日本で幼少期を送り、ベトナム戦争を「ぼくたちの戦争」と感じた青年期を過ごした私にとって、かって胸おどらせた中国革命の新鮮な衝撃、新中国へのあこがれを含め、プロレタリア国際主義がなお息づいていた時代を改めて思い返す旅路となった。(本書「あとがき」より)
目次: はじめに 「渡された父のノート」 李星華 「私の歩み」 李大釗 「慈母・厳父」の祖父/めざめと挫折 新たな世界へ──日本留学/「二十一ヶ条要求」 雑誌「新青年」/ロシア革命の衝撃 青年毛沢東/朝鮮三・一独立運動 五・四運動の爆発/盟友陳独秀 目覚めゆく学生たち/タワーリシチ=同志 中国共産党創立へ/流血の二月七日 孫文と語り合って/国共合作への道 五峰山への避難/国境を越えてソ連へ 革命の地ソ連にて/革命いまだ成らず──孫文の死 目覚める婦人、起ち上がる民族/「最も暗黒の日」 民衆の軍隊へ/夜明け前 父の犠牲前後 李星華 不安な日々/逮捕されて 拘置所の中/軍事法廷にて 父の最期/消せない炎李大釗 関連年表 おわりに
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