台南文学の地層を掘る 日本統治期台湾・台南の台湾人作家群像
大東和重
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出版社:関西学院大学出版会 |
出版年:2019年03月 |
コード: 376p ISBN/ISSN 9784862832733 |
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台湾人による、日本語・中国語、台湾語を用いた文学活動があった。日本統治期の台南で活動した台湾人文学者について考える。 台湾の歴史が地層のように刻まれた、台南という土地の魅力は、まだまだ十分に発掘されたとはいえない。今後も発掘はつづき、それは台南のみならず、台湾という土地を掘り下げることにもつながる。(本文より)
目次: 序章 植民地の地方都市における「文壇」と「文学」 日本統治期台湾・台南の台湾人作家たち 一 台南の文学青年たち 二 植民地地方都市の小さな「文壇」 ──塩分地帯と風車詩社 三 台南の中国語文学 ──台南芸術倶楽部 四 日本人文学者との交流、及び敗戦直後の日本語文学 ──『中華日報』日本語版 五 植民地地方都市における「文学」の意味
第一章 植民地の地方都市で、読書し、文学を語り、郷土を描く 日本統治下台南の塩分地帯における呉新榮の文学 一 日本語で書かれた台湾人の日記 二 読書すること ──新聞、雑誌、購入方法 三 文学を語ること ──塩分地帯の文学ネットワーク 四 郷土を描くこと ──「吾らの文学」 五 郷土研究へ
第二章 古都で芸術の風車を廻す 日本統治下の台南における楊熾昌と李張瑞の文学活動 一 芸術を忘却した街、台南 二 日本留学とモダニズム文学 ──『詩と詩論』の洗礼 三 台南での文学活動 ──『台南新報』学芸欄と風車詩社 四 台南の少女・娼婦を描く ──詩と短篇 五 フォルモサの亜熱風
第三章 台南の民俗と台湾語 荘松林の文学活動と民俗研究 一 台南の中国語文学者 二 荘松林の中国語による文学活動 三 台南の日本人学者たちとの交流 四 台南民俗・台湾語の研究 五 台南の地層を掘り進む
第四章 「歌仔冊」と「歌仔戯」 王育徳の台湾語事始め 一 台湾語研究者 二 「書房」 ──台湾語の学習 三 「歌仔冊」 ──台湾語書籍の蒐集 四 「歌仔戯」 ──台湾語による演劇活動 五 「島の真情」を知るために
第五章 平地先住民族の失われた声を求めて 日本統治下の台南における葉石濤の考古学・民族学・文学 一 平埔族を描く 二 考古学への愛好 ──金子壽衛男と博物同好会 三 台南地域における考古学の勃興 ──考古学少年の発掘と発見 四 平地先住民族への関心 ──國分直一と平埔族研究 五 多民族の台湾を描く
終章 台南文学の発掘 一九八〇年代以降の台南における日本統治期台南文学の発掘 一 台南文学の地層を掘る 二 発掘の功労者たち 三 塩分地帯の文学者たちに関する研究 四 風車詩社の詩人たちに関する研究 五 台南芸術倶楽部の文学者たちに関する研究 六 伝統文学・台湾語文学に関する研究 七 王育徳に関する研究 八 葉石濤に関する研究 九 台南文学をさらに掘り進む
付録 台南の詩人たち 植民地の地方都市で詩を作る 注 あとがき 日本統治期の台南市街図 人名索引
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