東洋医学古典 鍼灸資生経 下巻
王執中/淺野周 訳
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出版社:三和書籍 |
出版年:2023年01月 |
コード: 480p ISBN/ISSN 9784862514998 |
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『東洋医学古典 鍼灸資生経 下巻』は、黄龍祥(こうりゅうしょう)によると1180~1195年ごろに書かれたと『鍼灸名著集成』に書かれている。本書には『素問』や『霊枢』の引用は勿論のこと、『鍼灸甲乙経』、『備急千金要方』、『千金翼方』、『外台秘要』、そして同時代の『銅人腧穴鍼灸図経』までが引用されている。ということは『銅人』が出版された後に本書が出版されたことになる。執筆者は南宋の太監(たいかん)(宦官)だった王執中である。ちなみに『鍼灸名著集成』に編纂された『鍼灸資生経』は誤字や脱文が多く、翻訳の参考程度に参照した。なお本書には、原文に小文字で書かれた部分があるが、それは()で括り、翻訳した部分は[ ]で括るようにした。また訳の部分は書体を変えた。『甲乙経』は「こういつきょう」でなく「こうおつきょう」、『銅人腧穴』でなく「どうじんしゅけつ」ではなく「どうじんゆけつ」とした。そしてフリガナは燎原の『漢方用語大辞典』と学研の『漢字源』を参考にした。現在はオリエント出版の『鍼灸資生経』が入手困難なので、本書に原文を付けた。下巻は、巻四から巻七までを収載した。
目次: 鍼灸資生経巻四 ・心痛[胃痛] ・心恍惚(餘見肺中風) ・心驚恐 ・心喜笑怒[笑ったり怒ったり] ・心気(健忘、無心力、失志)[気力がない] ・心憂悲(哭泣、餘見癲邪)[憂鬱、泣く、ほかは鬱を参照] ・歎息(太息)[溜息] ・心煩悶(心痹、胆風熱、餘見心気)[心痹、胆風熱、ほかは心気を参照] ・胆虚(胆熱) ・嗜臥[横たわりたがる] ・不臥[眠れない] ・夢魘(雑夢)[悪夢] ・癲邪(鬼邪。扁鵲、鍼邪病、十三穴。見千金)[精神疾患] ・癲狂(狂走、狂言)[気違い] ・癲癇瘈瘲(小児瘈瘲)[子供のヒキツケ] ・癲癇(癇附。餘論見風癇) ・癲疾(餘論見風癇)[頭の病気] ・驚癇[小児驚癇、急驚風、慢驚風][驚いて癲癇となる] ・風癇(五癇) ・風労(餘見労)[ほかは労を参照] ・風痙(角弓反張) ・風眩(餘見頭目眩、餘論見風癇) ・風痹(餘見肩髃穴) ・中風(中風寒熱、餘論見偏風)[脳卒中] ・中風不語(中風口噤、附餘見口啞、口眼喎)[脳卒中の失語症] ・偏風(偏枯、半身不遂)[脳卒中による半身不随] ・痰涎(痰飲、吐沫、餘見唾) ・唾血(嘔血、吐血、餘見唾)[唾に血が混じる] ・喘(餘見欬嗽) ・肺気(肺風)[風邪] ・欬嗽(餘見欬逆)[咳] ・欬逆(餘見欬逆上気、喘、傷寒嘔噦)[咳] ・欬逆上気(上気、又見欬逆)[咳して喘ぐ] ・少気(短気、乏気、結気)[微弱呼吸] ・賁豚気(伏梁気、息賁)[気塊が、下腹から胸や咽喉に突き上げてくるもの] ・痃癖[腹部や脇肋部のシコリ] ・癥癖(餘見疝瘕)[腹腔内にできたシコリ] ・積聚[腹中のシコリ] ・積気[気が固まったシコリ] ・腹痛(餘見心痛) ・腹満(心満脹)[腹部の膨満感] ・腹脹(胸脇脹、附心脹、餘見心腹満脹)[腹が膨れる] ・心腹堅大(餘論見腹満)[上腹部が堅くて大きい] ・鼓脹(餘見腹脹)[腹の膨れ] ・水腫(雑腫、四支腫、石水)
鍼灸資生経巻五 ・臍痛 ・膺痛[前胸部の痛み] ・胸満(胸脇満、亀胸)[胸の膨満感] ・胸脇痛(胸痹痛、餘見胸満) ・鬲痛(五噎、気哽)[噴門の痛み] ・背痛(胸背、背脊、餘見肩背労瘵) ・肩背酸痛(肩髆肩臂、餘見背痛)[肩背の痛だるさ] ・肩痹痛(不仁不挙)[肩の痛み] ・臂痛(臂無力)[前腕痛] ・腋痛(腋腫) ・腕労[腱鞘炎] ・肘痛(肘攣、不仁) ・手麻痹不仁(不挙)[手の麻痺や知覚障害] ・手指攣(手掣痛、餘論見手麻)[指の痙攣] ・手熱(手寒、手清、手心熱)[手が熱い] ・足麻痹(不仁)[足の麻痺] ・足不能行(不能立、不収)[歩けない] ・足寒熱(脛寒、又見足雑病)[足の寒熱] ・足雑病(跟股、䯒脛、腨腿、髀枢、餘見脚膝攣)[足の様々な疾患] ・脚気[この脚気は、現代中国で脚気と呼ぶ水虫ではなく、日本の脚気と同じ] ・脚弱(脚痹)[足が弱いもの] ・脚腫[脛のむくみ] ・四支厥(手足不挙、餘見手足麻痹)[手足の冷え] ・尸厥[仮死状態] ・脚膝痛(攣急、不収、不仁) ・膝痛(餘見脚膝) ・腰脚痛(餘見腰脚) ・腰痛(腰強、腰屈) ・腰脊痛(餘見背痛) ・脊痛(餘見腰脊、風痙反張) ・腠理[皮膚] ・骨疼(骨髄)
鍼灸資生経巻六 ・耳鳴 ・耳痛 ・耳聾[難聴] ・聤耳(生瘡)[耳だれ、耳から膿水が流れるもの] ・目痛(目瞑) ・目上視(眼目瞤動)[眼球が上を向く。白目を剥く] ・目涙出 ・目眩[めまい] ・目不明(又目䀮䀮、目暗、目眇)[はっきり見えない] ・目翳膜(白翳、睊目、目)[角膜が翳膜で覆われるもの] ・目赤(目黄、目青)[結膜炎] ・青盲(雀目、疳眼)[視神経萎縮や緑内障] ・口眼喎(餘見中風、偏風不語)[顔面麻痺] ・口瘖瘂(舌不能言、餘見中風失音)[声が出ない。失語] ・舌強(自吐舌、重舌)[舌の強ばり] ・口緩(頻欠伸、失欠)[口が緩む] ・歯齲[虫歯] ・口舌乾苦(口熱臭)[口舌の乾燥と苦味] ・口歯疳瘡(牙歯齦腫、牙関急)[口内炎] ・歯噤(口噤、餘見中風)[歯を食い縛る] ・牙疼[歯の痛み] ・鼻塞不利(鼻不聞香臭)[鼻詰まり] ・鼻有息肉(孔生瘡)[鼻茸] ・鼻涕出(鼻乾、鼻嚔)[鼻水が出る] ・鼻痛(其餘見鼻瘡) ・鼻衂[鼻血] ・咽喉腫痛(生瘡)[咽喉の腫痛] ・喉咽鳴(雑病)[咽喉からゴロゴロ音がする] ・咽喉乾[咽喉のイガイガ] ・喉痹[咽喉の痛み] ・唇頬腫痛(頤頷腫)[唇や頬の腫痛] ・頸項強(急腫)[頸項部の強ばり] ・頭風(頭眩、又見頭旋)[慢性頭痛] ・頭痛(偏頭痛、餘見傷寒頭痛) ・脳痛(脳風)[外邪による激しい頭痛] ・頭旋(頭重)[めまい] ・頭腫[頭が腫れぼったい] ・頂腫痛[頭頂部の腫痛] ・面腫(餘見水腫)[顔面のむくみ] ・面痛(面赤、面黒)[顔の痛み]
鍼灸資生経巻七 ・傷寒(熱病 陰証 陽証)[寒けを伴う伝染病] ・黄疸 ・傷寒頭痛(其餘見頭痛)[伝染病による頭痛] ・傷寒寒熱(餘見自汗 傷寒無汗)[伝染病による悪寒発熱] ・寒熱(又見傷寒寒熱 中風寒熱)[悪寒発熱] ・腹寒熱気(冷気 又見労)[腹の寒熱の気] ・身寒痹(湿痹不仁、又見手足痹不仁) ・自汗(傷寒自汗、盗汗)[多汗] ・汗不出[汗が出ない] ・傷寒無汗[伝染病で、汗をかかない] ・発背(癰疽、瘍瘻、餘見痔漏)[背中のデキモノ] ・癭瘤(肉瘤)[甲状腺腫] ・瘰癧[リンパ結核] ・風疹(癮疹)[ジンマシン] ・歴節風[リウマチ] ・丁瘡(瘍瘻、魚臍瘡、窩瘡、疳瘡)[疔] ・癬疥瘡(白癜風、疣目)[疥癬] ・蠱毒[寄生虫による疾患] ・犬傷(蛇傷)[狂犬のカミ傷] ・乳癰[乳腺炎] ・乳腫痛(乳少、吐嬭)[乳房の腫痛] ・婦人無子[不妊症] ・婦人血気痛[子宮痛] ・血塊(瘀血)[子宮筋腫] ・血崩(崩中漏下、悪露不止)[不正出血] ・産後餘疾(産前)[産後の余病] ・難産(胞衣不出、子搶心、落胎) ・月事[月経] ・赤白帯[血液や膿の混じった帯下]
あとがき
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