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日清戦争の研究 下卷
上製
檜山幸夫
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出版社:ゆまに書房 |
出版年:2023年03月 |
コード: 886p ISBN/ISSN 9784843362907 |
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【刊行にあたって】 日清戦争は、朝鮮の支配権をめぐって日本と中国との間で行われた最初の西洋的な方式と近代的兵器による宣戦布告を伴った国際法に基づく全面戦争であり、その結果、東アジア世界はそれまでの伝統的な中華国際秩序であった華夷秩序体制が崩壊し新しい国際秩序体制に改編されていくが、日本は立憲制国家として最初の国際法に基づく戦争を体験することにより近代国家としての基礎を形成し台湾領有により帝国主義国家としての大日本帝国を完成させるという大きな歴史的事件であった。 本書は、この日清戦争を日本史の立場から歴史的な意義を追究し、その実態を明らかにするために多角的な視点から照射してその全体像を描くものであるが、合わせて一九九四・九五年に行った日清戦争百年国内及び国際シンポジウムの成果を継承しつつ、日清戦争百二十周年の現代の研究状況を踏まえながら改めて日清戦争史論を提起していくものである。そこでの分析視角は、(1)原点に立って開戦外交と陸奥外交論を問い直す、(2)立憲制国家として最初の戦争であったことから戦争と憲法について追究する、(3)史料に基づいて論証する、(4)兵士の視点から戦争を捉えその実態を明らかにする、(5)戦争が日本社会にどのような影響を齎したのかを「もの史料」から分析する、という点にある。 本書を著す目的は、今まで行ってきた日清戦争の研究を集大成することだけではなく、従来の日清戦争研究の問題点を再考し、見落とされてきた課題を補い日清戦争の全体像を構築していくことにある。
【本文の特色】 ・日本の初の近代的戦争である日清戦争について、詳細な事実を追求する。 ・著者の広い視野は、庶民から天皇までの関わり、また文化面の影響などをとらえる。
目次: 【下巻】 第七章 日清戦争と民衆 第一節 軍事支援体制の形成 第二節 民衆の戦争支援活動 第三節 国民の戦争動員 第四節 「軍国の民」の誕生 第五節 日清戦争下の臨戦地広島 第八章 日台戦争 第一節 前史としての台湾出兵 第二節 台湾での戦争 第九章 日清戦争における外交政略と戦争指導 終 章 あとがき
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