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遁世文学論 上製
陸晩霞
出版社:武蔵野書院
出版年:2020年10月
コード:   472p   ISBN/ISSN 9784838607372
 
価格 14,080円
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中世的な遁世者像の形成の解明を指向する

本書は「遁世文学」を一つの経路として、仏教ひいては思想と文学との関係解明に挑もうとするのである。具体的には、遁世の目的はどの辺にあるのか、遁世者像は如何なるものか、中世的遁世観はどうであるのか、その思想的土台となったものはなにか、という一連の問いに答えていきたい。そして、『方丈記』『発心集』『沙石集』『徒然草』『閑居友』『撰集抄』などの古典文学作品それぞれの個性と共通性を考察することによって、最終的には「遁世文学」とは如何なるものであったかを、作者の思想構造と表現世界との関連の研究を通して明らかにしたい。

目次:

刊行に寄せて大東文化大学名誉教授 関口忠男

 凡例

序論 なぜ遁世文学なのか

第一編 『方丈記』と鴨長明の世界
 第一章 『方丈記』の先蹤作品再考
 第一節 兼明親王の文学と『方丈記』
 第二節 慶滋保胤の文学と鴨長明
 第三節 『白氏文集』と『方丈記』
 本章のまとめ
 第二章 『方丈記』における老荘思想
 第一節 魚鳥の対表現にみる老荘的自然観
 第二節 養性とその周辺
 第三節 遁世と知足安分
 第四節 記と賦と愛居論
 本章のまとめ
 第三章 『発心集』『無名抄』にみる長明の遁世観
 第一節 長明文学における心の意味
 第二節 『発心集』『無名抄』と『徒然草』
 第三節 『発心集』と往生伝・高僧伝
 本章のまとめ

第二編 『沙石集』にみる無住道暁の思想
 第一章 無住の当代遁世批判
 第一節 遁世のあるべきかたち
 第二節 『発心集』の遁世者像との共通点
 第三節 無住の遁世観
 本章のまとめ
 第二章 無住の本地垂迹説
 第一節 無住の本地垂迹説
 第二節 和光同塵の論理
 第三節 三聖派遣説の活用
 本章のまとめ
 第三章 唐宋禅仏教の影響
 第一節 『沙石集』における儒仏道の三教一致
 第二節 『沙石集』と禅仏教
 第三節 文芸面の受容と三教観への影響
 ─白楽天・蘇東坡・仏書に語られる俗談を中心に
 本章のまとめ

第三編 『徒然草』における遁世論
 第一章 兼好法師の遁世観
 第一節 「捨つ」と「貪る」
 第二節 「しづか(閑)」をめぐって
 本章のまとめ
 第二章 名利の否定と老荘思想
 第一節 第三八段にみる『方丈記』の投影
 第二節 第三八段の名利論と老荘思想
 第三節 兼好の老荘思想理解
 本章のまとめ
 第三章 『徒然草』と『景徳伝灯録』
 ─第四一段と第二四三段を中心として─
 第一節 樹上の法師と鳥窠禅師─第四一段
 第二節 少年兼好と父の問答─第二四三段
 第三節 禅の影響と『徒然草』の周辺
 本章のまとめ
 第四章 遁世者の美意識
 第一節 遁世を語る方法─文学的発想から
 第二節『徒然草』と『世説新語』
 ─乱世に生まれる美意識
 本章のまとめ

第四編 中世仏教説話における遁世
 第一章 遁世の意味と類型
 第一節 遁世の意味の変遷
 第二節 遁世の類型
 本章のまとめ
 第二章 中世人の遁世の理想
 第一節 閑居の思想
 第二節 隠徳・偽悪の思想
 第三節 美醜の両極と澄心
 本章のまとめ
 第三章 中世の遁世者像の形成
 第一節 『摩訶止観』と中世人の遁世
 第二節 高僧伝と中世の遁世説話
 本章のまとめ
 第四章 近世人にみる中世的な遁世
 第一節 『扶桑隠逸伝』の構成
 第二節 元政における隠逸の性格
 第三節 『扶桑隠逸伝』の賛
 本章のまとめ

結論 中世日本の遁世者像

 あとがき
 索引(人名・作品名)
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