紅い戦争のメモリースケープ 旧ソ連・東欧・中国・ベトナム
/北海道スラブ・ユーラシア研究センター スラブ・ユーラシア叢書13
越野剛,高山陽子 編著
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出版社:北海道大学出版会 |
出版年:2019年05月 |
コード: 252p ISBN/ISSN 9784832968455 |
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旧ソ連・東欧圏における独ソ戦争、中国における日中戦争、ベトナムにおける対仏・対米戦争の記憶表象の事例を比較し、社会主義文化における記憶の風景(メモリースケープ)の特徴を明らかにする。
目次: 序論 紅い戦争のメモリースケープ──ソ連・東欧・中国・ベトナム(高山陽子) 1.紅いノスタルジア 2.紅い戦争と社会主義リアリズム 3.紅い戦争から見えるもの──抑圧された記憶と周縁化された身体 4.紅い戦争の記憶の行方 5.本書の構成
第Ⅰ部 抑圧された記憶と周縁化された身体 第1章 ロシア・ベラルーシの戦争映画における敵のイメージ──アレシ・アダモヴィチ原作の映画を中心に(越野剛) はじめに 1.3つの物語 2.外なる敵─ドイツ兵のイメージの変遷 3.内なる敵と英雄の脱神話化──コラボレーターとパルチザン おわりに 第2章 封印された戦争の記憶──ベトナムにおける中越戦争の記憶(今井昭夫 はじめに 1.食い違う中越戦争像 2.プロパガンダ合戦から語られぬ戦争へ 3.状況の変化──南シナ海情勢の緊迫化 4.小説『わたしと彼ら』における中越戦争 おわりに 第3章 ソヴィエト・ロシアのプロパガンダにおける女性図像と象徴性──社会主義国家の建設から総力戦体制へ(前田しほ はじめに 1.プロパガンダポスターのジェンダー秩序 2.家族の再定義と女性像の象徴性 3.総力戦体制とプロパガンダ おわりに 第4章 「救国の妓女」を描く中国映画──社会主義文化における女性の身体と国家の想像(田村容子 はじめに 1.日中戦争期における「救国の妓女」 2.対抗的な表象 3.「救国の妓女」の空白期 4.『南京!南京!』と『金陵十三釵』に見る「救国の妓女」 おわりに
第Ⅱ部 紅い戦争の記憶の行方 第5章 紅い刑事ドラマとチェコスロヴァキアの社会主義──テレビによる同時代史の構築(福田宏 はじめに 1.「正常化」時代におけるテレビドラマの重要性 2.1950年代の描き方:宿敵ブラーハ中尉との戦い 3.1960年代の描き方:より高度な謀略と集団ヒステリー おわりに 第6章 中国における紅い英雄──メモリースケープとしての烈士陵園の分析を通して(高山陽子 はじめに 1.武装蜂起と烈士の称号 2.烈士のイメージ 3.社会主義文化における烈士 4.烈士の再定義 おわりに 第7章 記憶の展示──パノラマ・ジオラマによるメモリースケープ(向後恵里子 はじめに 1.パノラマ・ジオラマによる記憶の展示と「見る」体験 2.パノラマ・ジオラマの展開と社会主義リアリズム 3.戦争のリアリティ 4.傷つく人びとの表象 おわりに──記憶と歴史の往還、「再演」をめぐって 第8章 記念碑の存在論──ポスト・ソヴィエト・ロシアのメモリースケープを望んで(平松潤奈 1.動く記念碑 2.記憶レジームと記念碑 3.テロルと戦争──ポスト・ソヴィエト・ロシアの二つの記憶 4.社会主義リアリズム文化における記念碑の存在論 5.不死の連隊──ゾンビのポスト・ソヴィエト・ランドスケープ
あとがき 事項索引 人名索引
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