東アジア仏教思想史の構築 凝然・明恵と華厳思想
/龍谷大学仏教文化研究叢書46
上製
野呂靖,張文良,金天鶴 編
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出版社:法藏館 |
出版年:2023年03月 |
コード: 342p ISBN/ISSN 9784831877666 |
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東アジア仏教思想の多様な展開の中で、諸地域の思想や文化に多大な影響を与えた華厳思想。その日本的展開について鎌倉時代の明恵・凝然という二人の思想家を通して考察する。 中国・韓国・日本の十三人による学術論文集。
(以下、「序言」より) 本書は東アジア仏教思想の多様な展開のなかで、諸地域の思想や文化に多大な影響を与えた華厳思想に注目し、その日本的展開について鎌倉時代の明恵(1173-1232)・凝然(1240-1321)という二人の思想家を通して明らかにするものである。 東アジア仏教とはいわゆる中国・朝鮮半島・日本などの漢訳経典に基づく仏教、すなわち「漢訳仏教圏」の仏教を指す概念であるが、それは当該の地域に残された教理テクストのみをさすものではない。すでに木村清孝氏によって明示されたように、「漢訳仏典を拠りどころとしつつ、東アジア諸地域の伝統的思惟と交渉・融和によって形成された仏教のこと」であるとするならば、東アジア仏教の研究とは、まさに一つのテクストの上に折り重ねられた諸地域の思想や文化の交渉・融和の痕跡を丁寧に読み解いていく作業にほかならない。本書はそうした視点から、明恵と凝然の華厳思想がいかに中国や朝鮮半島の仏教と接続したものであるかを、仏教学のみならず歴史学・文化学など関連諸分野の研究者も加えて明らかにしようとした試みである。
目次: 序 言[野呂靖・張文良・金天鶴]
第1部 凝然と東アジア仏教
中国における凝然仏教思想の受容――中国仏教宗派説を中心に[張文良(翻訳 李曼寧)] 「十世隔法異成門」解釈からみる華厳時間論の構築と伝承――法蔵から凝然へ[王頌(翻訳 李曼寧)] 凝然の『五教章通路記』における智儼引用について――同別二教を中心として[成昊官(睍山)] 凝然の六相説理解について[朴普藍] 『華厳経』の威神力と統合的理論としての華厳教学――8世紀における『華厳経』受容の諸相[中西俊英] 華厳観法と凝然[藤丸要] 凝然の「通受」「別受」[大谷由香] 続・中世東大寺律儀復興史小考――円照時代の戒壇院[横内裕人]
第2部 明恵と東アジア仏教
明恵の『解脱門義』における信と住の関係[金天鶴] 明恵と「即身成仏」再考――華厳教学を基調として[小宮俊海] 明恵の成仏義解釈とその周辺――義天版章疏の影響関係を中心に[野呂靖] 『明恵上人行状』の中の明恵像[前川健一] 明恵撰『涅槃講式』成立の背景――俊?請来の宋代仏教儀礼の視点から[西谷功]
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