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詳細情報
開国前夜、日欧をつないだのは漢字だった 東西交流と日本語との出会い
小川誉子美
出版社:ひつじ書房
出版年:2023年07月
コード:   224p   ISBN/ISSN 9784823411892
 
価格 2,970円
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辞書も教科書もない時代に日本語を学んだ西洋人と西洋語を学んだ日本人には、ある共通点があった。彼らは書き言葉としての中国語を用いていた。ペリー一行もヨーロッパの日本語学者もまた福沢諭吉の英学への取り組みも、漢文に支えられていた。日本と西洋が出会った歴史的場面で、未知の言語を話す相手を前に双方がどのようにサブチャンネルを活用したのか、本書は知られざる日欧の交流史を言語に焦点をあてて紹介する。


目次:
はじめに

第一章 日欧の出会いと中国
 一 ジパングの言語
 二 日欧の出会い、鉄砲伝来の立役者は?
 三 イエズス会の方針、まず日本語を学ぼう!
 三・一 ザビエルの決意で始まる日本語学習
 三・二 仏僧からクリスチャンに、ヴァリニャーノの方策と教師たち
 三・三 宣教師たちは日本語で何ができるようになったか―日本語力の評価法
 四 日本宣教から中国宣教へ
 四・一 ザビエル、中国布教の意義を見つける
 中国の文物は日本の権威!?
 漢字の表意性発見!
 四・二 ヴァリニャーノの計画性
 中国布教の準備
 少年使節の訪欧
 四・三 ロドリゲスの危惧
 中国語学習法
 再び、「神」をどう翻訳するか
 四・四 フェリペ二世、日本人を使って中国征服計画!?

第二章 在華宣教師が学んだ中国の言葉と中国文明
 一 ヨーロッパに現れた中国
 一・一 シノワズリ席捲、宮殿に中国間・中国式庭園現る
 一・二 西洋の中国情報
 二 布教と中国語の学習
 二・一 宣教師という特殊な才能を持つ皇帝の「臣下」たち、官話を学ぶ
 二・二 リッチを鍛えた漢字記憶法
 二・三 ヨーロッパの言語から中国語へ、翻訳は二人三脚で
 二・四 入華前、マカオで学ぶ中国語
 二・五 スペイン托鉢修道会士は、マニラで中国語を学ぶ
 二・六 中国語語学書の異なる傾向、托鉢修道会系とイエズス会系
 二・七 中国人信徒、禁教下の中国からヨーロッパへ密出国!?
 三 イエズス会士、満州語で清朝に仕える
 三・一 漢字と満州文字―満州語で読む中国文明
 三・二 専制政治と教会、ルイ一四世が派遣したブーヴェ、康熙帝に仕える
 三・三 イエズス会士アミオ、「明晰な」満州語をヨーロッパに伝える
 三・四 ラストエンペラー溥儀の満州語「イリ」
 三・五 宣教師のラテン語と対露ネルチンスク条約
 四 ヨーロッパの変わりゆく中国像
 四・一 ヨーロッパの近代化と中国文明の翻訳
 四・二 中国ブームのたそがれとジャポニスムの夜明け
 四・三 日本の満州語研究、高橋景保の辞書

第三章 開国前夜の英・仏の中国語・日本語学習
 一 イギリスのアジア戦略
 一・一 プロテスタント宣教師と外交官
 一・二 モリソンの華英字典―ロンドン宣教会派遣宣教師
 一・三 ウェード、外交官が言語学習の改革を引き起こす
 北京語を学ぼう
 満州語の学習
 在清イギリス公使館の中国語通訳教育システム
 二 フランスの日本語通訳者養成、日本への前哨地琉球で日本語を学ぶ
 二・一 パリ外国宣教会とフォルカード
 二・二 琉仏修好条約が変えた学習環境―明倫堂と国学の教師たち
 二・三 「フランス人の中に和漢の音韻に通ずる者あり」
 カション、卓越した日本語力で公式通訳としてプリンストクガワと同席
 横浜天主堂を献堂したジラールと隠れキリシタンを「発見」したプティジャン
 二・四 西洋人の琉球紹介―ゴービル、バジル=ホールと真栄平房昭
 二・五 ベッテルハイムは中国語で抗議する

第四章 日米交渉と日本の近代学問
 一 「黒船来航」の舞台裏
 一・一 ペリーの「予習」と日米の交渉言語
 一・二 条約締結前夜の和漢唱和、羅森とのひと時
 一・三 松陰、筆談で「メリケンに行かんと欲する」
 二 西洋人の工夫―漢訳聖書、華英字典、蘭和辞典の利用
 二・一 アメリカ、宣教師を派遣する 
 二・二 漢訳聖書から和訳聖書へ、ヘボンのサブチャンネル
 二・三 メドハーストの辞書めぐりゆく
 三 日本人の工夫―華英字典から英和字典へ
 三・一 福沢諭吉のサンフランシスコ土産
 三・二 明治政府も字典をまとめ買い
 三・三 ロブシャイド字典の翻刻、中国へ里帰り
 中村正直校正『英華和訳字典』
 井上哲次郎『増訂英華字典』
 三・四 創作活動と漢文―鴎外や漱石の場合
 四 横浜の「南京さん」と長崎唐通事
 四・一 横浜ピジンと「南京さん」
 四・二 長崎の唐通事何礼之と英学人材

第五章 西洋で誕生した中国語・日本語学者
 一 コレージュ・ド・フランスに「中国及びタタール満州語と文芸講座」が開設される
 一・一 パリ東洋語学校初代所長ラングレスも満州語に通じていた
 一・二 中国学の始祖レミュザは日本書も仏訳した
 一・三 賞に名を残すジュリアンと満漢合壁本
 一・四 言語の天才クラプロートは漂流民から日本語を学んだ
 二 日本学の始祖ロニー誕生
 二・一 一七歳で日本語文法書を著したロニーの中国語力
 二・二 孤独なパイオニアの恵まれた環境
 二・三 パイオニアの功績と悲哀
 二・四 清朝内向けの満漢合壁本がヨーロッパで重用される
 三 ヨーロッパ初の日本語学者、オランダに現れる
 三・一 シーボルトのミッション遂行とコレクションの形成
 三・二 ホフマンの日本語研究の方法と学者への道のり
 三・三 ホフマンの教育順序は中国語から日本語へ
 三・四 シーボルトの日本コレクションの中のアイヌ語・満州語文献
 三・五 オランダは日本人にとって、第二の故郷!?
 四 日本研究者の「中国語」と中国研究者の「日本語」
 四・一 オランダ型 VS.フランス型
 四・二 西洋の東洋学者が求めるサブチャンネルは、中国語から日本語へ?

おわりに
参考文献
人名索引
事項索引
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