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東アジア国際通貨と中世日本 宋銭と為替からみた経済史 上製
井上正夫
出版社:名古屋大学出版会
出版年:2022年02月
コード:   586p   ISBN/ISSN 9784815810610
 
価格 8,800円
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貨幣、この自由にして御しがたきもの――。宋・遼・金・元・明・日本・朝鮮など、東アジア各地に流通した宋銭は、それぞれの政権の思惑を超え、為替や紙幣を誘発しつつ、経済・社会・政治を大きく動かしていった。文献と考古学的知見を踏まえた丹念な検証により、従来の見方を一新する画期的な貨幣・金融史。

目次:
序章
 1 東アジアの貨幣の性質に関する諸仮説
 2 本書の立場
 3 用語の定義と本書の構成

第Ⅰ部 東アジアの国際通貨
 第1章 国際通貨としての宋銭――王安石の通貨政策の再評価
 はじめに
 1「信用貨幣」としての宋銭
 2 物価水準の上昇
 3 銅銭の地域的偏在としての銭荒
 4 物価水準と鋳造量の関係
 5 国外での宋銭の流通と国外持出禁止政策
 6 王安石の銅銭持出解禁の再評価
 おわりに
 第2章 遼北宋間における宋銭の循環――太平銭偽造の背景
 はじめに
 1 澶淵の盟約と榷場貿易
 2 銅銭流通と密貿易の関係
 3 遼で偽造された北宋の太平通宝
 おわりに
 第3章 高麗における流通銅銭不在の苦悩――国際通貨確保の制約性
 はじめに
 1 銅銭流通の前提としての交換の存在
 2 人々の貨幣への理解
 3 中国の銅銭と紙幣の流通
 4 李朝時代の自国貨幣と中国貨幣の対照性
 5 国際通貨確保の困難性――従属国の限界
 おわりに

第Ⅱ部 古代日本における自国銅銭流通の意義
 第4章 和同開珎銀銭の流通より見た市場動向の独自性
 はじめに
 1 隷開と不隷開の銭文について
 2 和同開珎銀銭の初鋳の時期について
 3 不隷開から隷開への切換の時期について
 4 銅銭の使用促進策と「献銅銭」の問題
 おわりに
 補論1 無文銀銭の価値と和同開珎の公定価値の問題
 はじめに
 1 3/4常説と2常説の内容
 2 両説の問題点
 3 第3の仮説
 4 和同開珎の銀銭と銅銭の公定比価の問題
 おわりに
 第5章 市場と貨幣に対する律令政府の支配力の限界
 はじめに
 1 交換の媒介としての銅銭
 2 律令政府の市場価格に対する制御能力の限界
 3 銅銭の地金価値について
 4 金銭・銀銭・銅銭の問題
 5 旧銭と新銭の市場での価値の問題
 6 法定価値からの乖離の過程について
 おわりに
 第6章 平安中期の使庁権力拡充と銅銭流通途絶
 はじめに
 1 平安時代前半期における銅銭の流通と価値の問題
 2 貨幣への支配力の強化と貨幣保持の危険性について
 おわりに

第Ⅲ部 宋銭の移動と中国大陸における貨幣の変貌
 第7章 日本への宋銭流入――12世紀末期の宋銭排除論とその背景
 はじめに
 1 宋銭の本格的流通と物価問題の発生
 2 宋銭流通に対する支配者層の反応
 3 宋銭流通の維持を可能にした要因としての砂金
 おわりに
 第8章 南宋の銅銭流通量の問題
 はじめに
 1 通説的理解
 2 銅銭の鋳潰し発生の意味と銅銭鋳造不振の真因
 3 銅銭の流通量
 おわりに
 補論2 北宋四川における交子の発生過程について
 はじめに
 1 四川の交子発生に関する通説の整理
 2 四川の構造上の特質から発生する為替
 3 四川振出の私交子への収束
 4 交子の貨幣化と官営化
 5 四川商人の為替に対する理解
 おわりに
 第9章 金における紙幣流通の拡大と宋銭の移動
 はじめに
 1 当初の交鈔のしくみの復元
 2 交鈔が貨幣化していく過程
 3 河南路の特質と交鈔流通化との関係
 4 交鈔の流通拡大の銅銭に対する影響
 5 遼との相違点とその原因
 6 銀の貨幣化
 おわりに
 第10章 元明時代の紙幣流通の盛衰と流通貨幣の変化
 はじめに
 1 紙幣流通化の過程における信認獲得の努力
 2 中国南部での宋銭流通の継続と国外への流出
 3 銅銭を基盤とした幣制改革と紙幣流通崩壊の関係
 4 明代における宋銭の消滅と銀流通の意義
 おわりに

第Ⅳ部 中世日本における金融の発達
 第11章 11世紀の返抄を媒介とした為替
 はじめに
 1 為替手形の定義と返抄・下文の使用方法
 2 信濃前司に関わる一連の文書
 3 返抄の為替手形的使用
 おわりに
 第12章 割符のしくみとその革新性――2種類の割符の並存理由
 はじめに
 1 備中国新見荘より東寺に送付された2種類の割符
 2 先行研究における為替文言の割符のしくみの理解
 3 割印の施された「もう1つの文書」
 4 割符による送金の全体像
 5 2種類の割符の並存理由とその革新性
 おわりに
 第13章 為替文言の割符の割印の問題
 はじめに
 1 新しい仮説(単独印説)の内容
 2 単独印説の検証
 おわりに
 第14章 原初的替銭の特質――2種類の替銭の並存理由
 はじめに
 1 替銭に関する先行研究と割符のしくみの確定
 2 原初的替銭に使用される文書
 3 原初的替銭の成立条件
 4 割符との並存理由
 おわりに

第Ⅴ部 宋銭の時代の終焉
 第15章 中世日本における金融の拡大と縮小――宋銭の時代の終焉
 はじめに
 1 流通銅銭の消滅速度の問題
 2 金からの流出銅銭の日本への影響の有無
 3 日本中世における物価水準の変動――金融の拡大と縮小
 おわりに
 第16章 17世紀における朝鮮半島での銅銭流通――宋銭の終着駅
 はじめに
 1 16世紀以前の朝鮮半島における銅銭の問題
 2 17世紀前半における銅銭流通政策
 3 開城の銅銭
 4 中国での銅銭衰退と朝鮮での17世紀中期以降の銅銭流通政策
 おわりに

終章 貨幣金融史上における宋銭流通の意義

参照文献
あとがき
初出一覧
図表一覧
索引
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