毛沢東時代の経済 改革開放の源流をさぐる
上製
中兼和津次 編
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出版社:名古屋大学出版会 |
出版年:2021年07月 |
コード: 314p ISBN/ISSN 9784815810313 |
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現代中国のブラックボックスを開く——。破壊的だったとされる毛沢東時代。ではなぜその後、急速な発展をなしえたのか。人民公社、重化学工業優先、三線建設など、当時の制度・政策の効果をはかり、現在への「遺産」を問う。歴史的視野のもと、冷静な経済学的分析をくわえた画期的著作。
目次: まえがき
序章 経済実績とその背景 はじめに 1 経済成長の実態 2 構造変化 3 成長と変動のメカニズム 4 制度的・政策的背景 おわりに
第1章 毛沢東の政治経済学、鄧小平の経済学 はじめに 1 毛沢東政治経済学の特徴 2 毛沢東の経済目標 3 鄧小平の経済学 おわりに——毛沢東政治経済学を評価する
第2章 新民主主義から社会主義改造へ——重慶市の事例を中心に はじめに 1 共産党の都市接収政策——建国初期の「接収」と「管理」 2 工商業聯合会の組織 3 組織機関としての重慶市工籌会 4 利益集約機関としての重慶市工籌会 5 五反運動・公私合営化と同業者団体の終焉 おわりに
第3章 人民公社(1)——生産費調査からみた集団農業経営 はじめに 1 毛沢東時代の農業組織と農産物流通制度 2 生産費調査にみる農業経営の特徴 3 農業純収益の要因分解と仮想的賃金の推計 おわりに
第4章 人民公社(2)——会計資料からみた生産隊と農家 はじめに 1 江蘇省靖江県および同県新橋人民公社の概況 2 X 生産隊の会計資料について 3 X 生産隊の構成と性質 4 X 生産隊の農業とその構造変化 5 国・公社・農家間の分配構造 6 農家間の経済格差と農村貧困のメカニズム おわりに
第5章 水利建設——治水・灌漑事業と労働蓄積 はじめに 1 水利建設の歴史的展開 2 水利建設の数量的評価 3 労働蓄積による水利建設 おわりに
第6章 農村金融——資金移転からみた国家銀行と農村信用社 はじめに 1 農村における金融システムの形成 2 農村における金融的資金の流れ おわりに
第7章 重化学工業——傾斜的工業化政策とその評価 はじめに 1 重化学工業化の歴史的背景 2 重化学工業化の展開 3 重化学工業化の遺産と評価 4 もう1つの遺産——改革開放の胎動 おわりに
第8章 軽工業——社会主義工業化と繊維産業 はじめに 1 1949年以前の繊維産業 2 社会主義工業化政策と繊維産業 3 改革開放政策と繊維産業の長期的展開 おわりに
第9章 農村工業——肥料・セメント工業からみた「五小工業」政策 はじめに 1 肥料工業にみる五小工業 2 改革開放後の肥料工業 3 毛沢東時代と改革開放後のセメント工業 おわりに
第10章 毛沢東時代の中国社会——「上海小三線」での生産と生活 はじめに 1 毛沢東時代の孤立社会 2 上海小三線の展開と生産活動 3 孤立社会における生活 4 撤収後の状況 おわりに
終章 改革開放の初期条件とは何か はじめに 1 経済発展と体制移行における初期条件とは 2 改革開放は伝統社会と毛沢東時代から何を引き継いだのか 3 毛沢東時代の経済制度と政策をどう評価すべきか おわりに——残された課題
あとがき 図表一覧 索引
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