イエズス会士と普遍の帝国 在華宣教師による文明の翻訳
上製
新居洋子
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出版社:名古屋大学出版会 |
出版年:2017年11月 |
コード: 416p ISBN/ISSN 9784815808891 |
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カトリック拡大のため東方に渡った宣教師らが、巨大な清朝に見出したものは何か。中国古来の世界像や学術は、キリスト教の教義や勃興する科学と結びつくのか。共通言語から統治体制や歴史編纂まで、新たな帝国像を描き出した18世紀のアミオを軸に、多言語史料から「文明の翻訳」の実相を捉える力作。
目次: 序章 在華イエズス会士と文明の翻訳 はじめに 1 研究史 2 本書の目的――普遍をめぐる問い 3 アミオという人物について
第Ⅰ部 中国文明とカトリック・科学との接続 第1章 適応政策と中国研究の展開 はじめに 1 適応政策の確立 2 「適応」のもとでの西学とヨーロッパ中国学 3 適応政策の動揺 4 18世紀後半における多元的適応 おわりに 第2章 典礼論争後における孔子像の創造 はじめに 1 孔子像の流通と典礼論争からの影響 2 アミオ『孔子伝』と明~清代中国の出版状況との関わり 3 「天」・「上帝」=天主説への回帰 おわりに 第3章 中国音楽における科学の発見 はじめに 1 世界最古の音楽としての中国音楽 2 中国音楽における「科学」 3 ヨーロッパにおける「科学」をめぐる議論のなかで 4 「科学」と「技芸」 おわりに 第4章 メスメリズムと陰陽理論の邂逅 はじめに 1 中国の伝統的治療・養生の術における陰陽の気 2 メスメリズムと陰陽理論の符合 3 アミオによる陰陽理論解釈の独自性 おわりに
第Ⅱ部 清朝という帝国と普遍 第5章 18世紀在華イエズス会士と北京社会との接点――北堂を中心に はじめに 1 明末清初における中国の人々との交際 2 清朝宮廷における宣教師の働き 3 18世紀後半の北堂に出入りした人々 おわりに 第6章 アミオがとらえた清朝の統治構造 はじめに 1 アミオ以前に発表された中国皇帝像 2 乾隆帝、清朝官僚に関する報告 3 アミオの清朝政治観 おわりに 第7章 「文芸共和国」の普遍語としての満洲語 はじめに 1 満洲語文法の解説 2 「明晰」な言語としての満洲語 3 中国における「文芸共和国」 おわりに 第8章 清朝の統治空間をめぐる最新情報 はじめに 1 17~18世紀の在華イエズス会士が描いた中国という空間 2 アミオがもたらした新しい情報——『四訳館考』と『大清一統志』 おわりに 第9章 『中国帝国普遍史概説』と清朝官修典籍 はじめに 1 「世俗の」歴史としての中国史 2 聖書年代学をめぐる嵐と中国史 3 中国史を3つの時代に区分すること 4 天文観察記録をめぐる論争 5 いかなる中国文献を選択すべきか 6 アミオによる中国史叙述 おわりに 終章 アミオの中国像とその後
注 あとがき 参考文献 図表一覧 索引
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