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道教経典の形成と仏教
上製
神塚淑子
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出版社:名古屋大学出版会 |
出版年:2017年10月 |
コード: 598p ISBN/ISSN 9784815808853 |
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大宗教への飛躍と確立――。仏教伝来のインパクトを受け体系化する道教。中国固有の思想との相克のなか、融合はいかになされたのか。霊宝経から坐忘論まで、生み出された経典・儀礼・聖像等を通して、六朝隋唐時代におけるダイナミックな展開を描き出す労作。
目次: 序章 1 問題の所在 2 先行研究 3 本書の構成 第一篇 霊宝経の形成とその思想 第1章 霊宝経と初期江南仏教——因果応報思想を中心に はじめに 1 霊宝経の因果応報・輪廻転生の思想 2 霊宝経と支謙・康僧会の訳経 3 霊宝経と六朝小説 第2章 霊宝経における経典神聖化の論理——元始旧経の「開劫度人」説をめぐって はじめに 1 「元始旧経」の構想と「開劫度人」説 2 上清経から霊宝経へ——『元始五老赤書玉篇真文天書経』 3 「出法度人」と阿丘曽の物語——『太上洞玄霊宝赤書玉訣妙経』 4 「開劫度人」説と死者救済——『太上霊宝諸天内音自然玉字』 5 天尊の「過去」と斎戒——『太上洞玄霊宝智慧罪根上品大戒経』と『太上諸天霊書度命妙経』 おわりに 第3章 霊宝経に見える葛仙公——新経の成立をめぐって はじめに 1 霊宝経の伝授の系譜 2 太極真人から葛仙公への伝授 3 葛仙公の「本行因縁」 4 仙公と天師張道陵と青童君 5 葛仙公から鄭思遠への言葉 おわりに 第4章 六朝道教と『荘子』 ——『真誥』・霊宝経・陸修静 はじめに 1 上清派道教の形成と『荘子』 2 霊宝経と『荘子』 3 陸修静と『荘子』 おわりに 第二篇 天尊像考 第1章 隋代の道教造像 はじめに 1 隋代の道教像とその特徴 2 男官李洪欽等造老君像碑 3 道観と道教像 おわりに 第2章 天尊像・元始天尊像の成立と霊宝経 はじめに 1 天尊像・元始天尊像の成立 2 霊宝経「元始旧経」と元始天尊 3 『定志通微経』に見える元始天尊の前世物語 おわりに 第3章 元始天尊をめぐる三教交渉 はじめに 1 『笑道論』における元始天尊批判 2 元始天尊の「因縁」をめぐって——スダーナ太子本生譚の儒教的変容 3元始天尊の身相と自然・因縁一体説 おわりに 第三篇 道教経典と漢訳仏典 第1章 『海空智蔵経』と『涅槃経』——唐初道教経典の仏教受容 はじめに 1 作者・成立年代・テキスト 2 各巻の梗概 3 『海空智蔵経』と『涅槃経』 4 離苦安楽の思想 5 海空 おわりに 第2章 『海空智蔵経』巻十「普記品」小考——道教経典と中国撰述仏典 はじめに 1 『海空智蔵経』巻十と『像法決疑経』 2 「衆生の相」 3 「神を返して海空蔵に入る」 おわりに 第3章 仏典『温室経』と道典『洗浴経』 はじめに 1 『温室経』の流布と仏道論争——『洗浴経』成立の背景 2 『洗浴経』(敦煌写本『太上霊宝洗浴身心経』) 3 洗浴の儀規 4 『沐浴身心経』と『太上玄都妙本清静身心経』 おわりに 第四篇 日本国内所蔵の道教関係敦煌写本 第1章 国立国会図書館所蔵の敦煌道経 はじめに 1 金録晨夜十方懺残巻 WB32-1(3) 2 道教叢書残巻 WB32-1(30) 第2章 杏雨書屋所蔵の敦煌道経 はじめに 1 道教願文 杏雨書屋六七三R 2 道経残簡 杏雨書屋六六六 3 太玄真一本際経巻第七譬喩品 杏雨書屋六一六 第3章 京都国立博物館所蔵の敦煌道経——「太上洞玄霊宝妙経衆篇序章」を中心に はじめに 1 京都二五二「太上業報因縁経巻第八」 2 京都二五三「太上洞玄霊宝妙経衆篇序章」 3 道教史から見た「太上洞玄霊宝妙経衆篇序章」 第五篇 唐代道教と上清派 第1章 則天武后期の道教 はじめに 1 嵩山出土の金簡 2 投龍と封禅 3 「坐忘行心」——王玄覧『玄珠録』の「心」の概念 おわりに 第2章 司馬承禎『坐忘論』について——唐代道教における修養論 はじめに 1 司馬承禎の生涯 2 司馬承禎の著作 3 『坐忘論』の内容とその特徴 おわりに 補論 石刻坐忘論をめぐって はじめに 1 石刻坐忘論の内容 2 七篇坐忘論を司馬承禎の作とすることについて 3 先行諸研究の見解 おわりに 第3章 司馬承禎と天台山 はじめに 1 天台山の霊墟 2 桐柏観 3 『上清侍帝晨桐柏真人真図讃』 4 五岳真君祠 おわりに 終章 1 『甄正論』の道教批判 2 霊宝経の仏教受容 3 上清派の伝統へ 注 あとがき 図表一覧 索引
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