東アジアの家族とセクシュアリティ 規範と逸脱
上製
小浜正子,板橋暁子 編
|
|
出版社:京都大学学術出版会 |
出版年:2022年02月 |
コード: 406p ISBN/ISSN 9784814003884 |
|
|
|
<東京店在庫有り>
東京店に在庫がございます。少部数のものもございますので、ご来店の場合は直接お問合せください。
|
|
|
|
|
セクシュアルマイノリティやフェミニズム運動の活発化とバックラッシュ……東アジア各地にみられる状況をどう捉えればよいのか? 台湾・韓国の徴兵制、中国性産業の政治化、アジアの生殖補助医療。社会的包摂を謳いながらも、姿を変えたジェンダー規範のなかで排除され消費されるセクシュアリティの問題の根幹はどこか? 同姓不婚、妻と妾の身分差など、規範の淵源たる中国古来の「家族」の変化を捉えつつ、多様な主体がせめぎ合う東アジアジェンダー秩序の未来を考える。
目次: 総論 東アジアの家族とセクシュアリティの歴史(小浜正子)
Ⅰ セクシュアリティ 第1章 冷戦体制と軍事化されたマスキュリニティ――台湾と韓国の徴兵制を事例に(福永玄弥) はじめに――近代国民国家とセクシュアリティ 1 台湾 2 韓国 おわりに――冷戦体制と軍事化されたマスキュリニティ 第2章 中国における包括的性教育の推進と反動――『生命を大切に:小学生性健康教育読本』を事例に(郭立夫) はじめに 1 中国における性教育とその実践 2 マイノリティの連帯としての包括的性教育 3 『生命を大切に』の挫折 おわりに 第3章 中国のフェミニズムとセックスワーカー運動――2000年以降、両者の連帯に至るまで(遠山日出也) はじめに 1 2000年頃までの売買春政策とセックスワークをめぐる議論 2 2000年以降の政策の変化とセックスワーカー 3 鄧玉嬌事件をめぐって 4 「売買春一掃」と「セックスワーカーデー」 5 東莞における売買春一掃をめぐって 6 連帯の形成要因 おわりに 第4章 台湾LGBT文学の現在――「新しいホモノーマティビティ」への対抗(白水紀子) はじめに 1 エイズの問題 2 同性婚・家族の問題 3 周縁に追いやられた人々――貧困・老い 4 LGBT文学とは コラム① 女性の作り手による韓国独立ドキュメンタリー――ビョン・ヨンジュから女性映像集団ウムまで(油谷佳歩)
Connecting Section――リプロダクション 第5章 中国における生殖補助医療規制に見る排除と包摂――代理出産をめぐる議論を中心に(姚 毅) はじめに 1 中国におけるART に関する法規制と現状 2 条件付きでの代理出産合法化賛成論 3 代理出産慎重論・反対論 4 誰がどのように利用すべきか――排除と包摂の原理 おわりに 第6章 アジアにおける代理出産ツーリズム――拡大から廃止、そして法制度化へ(日比野由利) はじめに 1 商業的代理出産と利他的代理出産 2 拡大から廃止、そして法制度化へ 3 親族間の人道的代理出産を法制化したベトナム 4 非商業的代理出産を法制化したタイ 5 インドにおける利他的代理出産の導入(その1) 6 インドにおける利他的代理出産の導入(その2) おわりに コラム② 女性映像集団ウムによる映像作品――韓国フェミニズムの一コマ(油谷佳歩)
Ⅱ 家族 第7章 敦煌書儀はかく語る――婚礼史上の“唐宋変革”(下倉渉) はじめに 1 妻方での挙式 2 『封氏見聞記』が伝える「拝堂の礼」 3 建中元年の婚礼儀改革 4 「婦見舅姑」の儀における拝礼 おわりに 第8章 近世中国における生命発生論――母子間の継承関係と父系制(佐々木愛) はじめに 1 母子間における気の継承 2 「父は種・母は園」――魏禧と魏際端 3 強固な父子継承を支える気の思想 おわりに 第9章 魏晋南北朝時代の「以妾爲妻」「以妻爲妾」について(板橋暁子) はじめに 1 魏晋時代の「以妾爲妻」「以妻爲妾」 2 南北朝時代の「以妾爲妻」「以妻爲妾」 おわりに コラム③ 清代の宮廷歳時とジェンダー(小川快之) 第10章 清代の地方志における同姓通婚と同姓不婚(五味知子) はじめに 1 中国における同姓不婚 2 地方志の風俗関連の記述にみる同姓通婚 3 地方志の人物に関する記述にみる同姓不婚 おわりに 第11章 人民共和国建国初期の大衆運動と主婦――上海市家庭婦連を中心に(泉谷陽子) はじめに 1 家庭婦連の会員と活動 2 抗米援朝運動と家庭婦連の改組 3 反革命鎮圧運動と家属座談会 4 婚姻法貫徹運動と家庭婦連 おわりに コラム④ 塞外の都市奉天にとっての女性――上海女性のとある軌跡を手がかりに(上田貴子)
索引 執筆者紹介
|
|