南宋道学の展開
/プリミエ・コレクション96
上製
福谷彬
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出版社:京都大学学術出版会 |
出版年:2019年03月 |
コード: 412p ISBN/ISSN 9784814002078 |
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「正しさ」の根拠とは何なのか。他者はいかに説得すべきなのか。「孟子の再来」たちはこの答えを古典に求め、論争と党争を繰り広げた。現実政治を改革する古典解釈学の精神。
目次: 序章 はじめに 第一節 複数の「道学」 第二節 「聖人学んで至るべし」 第三節 宋代の政治文化 一 君主独裁制 二 士大夫政治と「党争」 第四節 本書の課題と構成
第一部 思想形成としての古典解釈 第一章 孔孟一致論の展開と朱熹の位置――性論を中心として はじめに 第一節 宋代以前の孔孟一致論 一 揚雄 二 王充 三 韓愈 四 漢代における階層的な『孟子』理解 第二節 宋代における孔孟一致論 一 北宋における孔孟一致論の新たな傾向 二 朱熹における『論語』と『孟子』の調停 三 『論語』の性善説 小結 第二章 経書解釈から見た胡宏の位置――「未發・已發」をめぐって はじめに 第一節 程子と程門における「未發・已發」をめぐる思索 一 程頤「顔氏所好何學論」 二 李侗の「未發」説 第二節 胡宏『知言』の思想 一 胡宏の性論と天理・人欲観 二 「察識」「涵養」の先後 三 「未發・已發」と「心性」の捉え方について 小結
第二部 道学者の思想と政治姿勢 第三章 陳亮の「事功思想」と孟子解釈 はじめに 第一節 「語孟發題」と「六經發題」 第二節 朱陳論争時の陳亮思想 第三節 科挙の答案 一 省試「勉彊行道大有功」 二 殿試 小結 補説 第四章 淳熙の党争下での陸九淵の政治的立場――「荊國王文公祠堂記」をめぐって 本章の課題――「党争」という視角 第一節 「荊公祠堂記」 第二節 淳熙年間の党争 一 陳公輔の程学批判 二 陸九淵の「尚同の論」批判 三 「與薛象先」 四 「與羅春伯」 小結 第五章 説得術としての陸九淵の「本心」論――仏教批判と朱陸論争をめぐって はじめに 第一節 「本心」とは誰の心か 第二節 朱陸の仏教批判の方法 一 陸九淵「與王順伯」書 二 朱熹の「與王順伯」書批判 第三節 陸九淵から見た無極・太極論争 一 「無極」は陸九淵にとって何が問題だったのか 二 無極・太極論争での陸九淵の説得術 小結 第六章 消えた「格物致知」の行方――朱熹「戊申封事」と「十六字心法」をめぐって はじめに 第一節 「人心・道心」論の変化 一 初期の「人心・道心」論 二 後期の「人心・道心」論 第二節 封事の重点の変化――「格物致知」から「誠意正心」へ 一 「壬午應詔封事」 二 「戊申封事」 第三節 「戊申封事」と「格物致知」の行方 小結
第三部 政治から歴史世界へ 第七章 『資治通鑑綱目』と朱熹の春秋学について――義例説と直書の筆法を中心として はじめに 第一節 義例説と直書説の再検討 第二節 『綱目』凡例と朱熹の春秋学 小結 コラム 道学と三國志 終章 第一節 道学者の政治姿勢 第二節 孟子の再来というパラダイム 第三節 道学における「論争」の意義 第四節 残された課題
参考文献一覧 あとがきに代えて 本書関連事項年表 索引(人名・事項・書名) 中文摘要
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