令月、時は和し気は清し 張衡『帰田賦』
東京古典研究会 編
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出版社:ミヤオビパブリッシング/宮帯出版社発売 |
出版年:2019年04月 |
コード: 128p ISBN/ISSN 9784801602069 |
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新元号「令和」の出典は『万葉集』より600年古い、中国の文人科学者張衡作『帰田賦』だった!
張衡は、今から1900年前の中国の科学者・数学者・天文学者で、詩人・芸術家でもあった人物。世界初の水力渾天儀(天球儀)をはじめ、風向計、地震感知器などの発明で知られるほか、驚異的な精度で円周率を計算したり、月食の原理を解明したりした。一方で彼は、賦の名手としても知られる詩人で、文学者・芸術家であっただけでなく、官僚・政治家としても活躍した。 張衡が書いた『帰田賦』は、後年、編纂された『文選』という著名な詩集に収録されている。6世紀に南朝梁の蕭統(昭明太子、501~531)によって編纂されたもので、隋・唐以前の代表的な文学作品が網羅されている。 新元号「令和」の出典は、正確に言えば『文選』ではなく、そこに収録された『帰田賦』である。その年代は『文選』よりさらに400年古い、紀元2世紀にさかのぼる。 本書はこの『帰田賦』を原文だけでなく、注釈と書き下し文、さらに現代語訳をつけて収録。 また、張衡という人物に関する情報をはじめ、張衡の作品が収録された書物(『文選』『張河間集』ほか)、張衡の作品に登場する中国の人物(老子、屈原、周公旦ほか)まで、わかりやすい解説をつけた。さらに付録として、張衡の短い“賦”の作品から、未翻刻の3作品(『温泉賦』『髑髏(どくろ)賦』『冢(ちょう)賦』)を注釈と書き下し文をつけて収録した。
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