周恩来の述懐
上製
曹応旺/吉田修誠,吉田理華 訳
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出版社:中国出版トーハン |
出版年:2018年07月 |
コード: 504p ISBN/ISSN 9784799400074 |
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肉声で語られた激動の時代、日中国交正常化秘話。会う人、誰をも魅了した、その人間性。複雑な生い立ちから、新生中国宰相への道程。知られざる周恩来の対日観。中国の周恩来研究権威による忠実な解説。
周恩来は、一九七二年九月の田中角栄元首相歓迎宴で、「我々両国の歴史においては、二千年もの友好往来と文化交流を有して、両国人民は深い友情に結ばれている。我々はそれを大切にすべきだ。」と挨拶した。現在でも、この劇的な日中国交回復のドラマを鮮明に記憶されている方が数多くいらっしゃると思う。 その後も、両国の懸け橋となる各界の人々がそれぞれの志を胸に、続々と後に続いた。周恩来の自叙形式で淡々と述べられた本書は、困難を乗り越え、新たな時代を描き、それを創造した人々の真実の物語の本邦初出訳である。筆者の曹応旺氏は中国中央文献研究室で、長期間に亘って周恩来を専門的に研究した権威として、これまでにも関係書籍を多数出版している。日本の皆さんにとって、初めて目にする内容や海外の研究者の視点が参考になる点が少なくないと思う。また、同氏の文章からは、周恩来に対する深い敬意と、文献に忠実であろうとする研究者としての真摯な態度が伝わってくる。新たな日中関係の構築が求められる今こそ一読したい一冊。
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