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モノから見た海域アジア史 モンゴル~宋元時代のアジアと日本の交流(新装版) /KUP選書3
四日市康博 編著/榎本渉,小川光彦,向井亙,森達也
出版社:九州大学出版会
出版年:2022年11月
コード:   218p   ISBN/ISSN 9784798502953
 
価格 1,980円
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古来より国と国、地域と地域を分け隔て、結びつけた「海域」は人・モノ・文化の交流の舞台となってきた。その海域からアジア史を見ると、従来の枠組みからは見えなかった歴史が見えてくる。本書は中世の海域アジアを行き交った様々なモノ、石材・木材・陶磁器・貴金属を通じて考古学・日本史・東洋史を専門とする各研究者が日本とアジア、ユーラシアの交流の諸相を解説したものである。写真・図版多数収録。

目次:
口絵
はじめに

〈石材から見た海域アジア交流〉第1章 海域アジアの碇石航路誌
 碇石とは/さまざまな碇石/鷹島海底遺跡と碇石/碇石の使用方法/碇石の分布/碇石の年代/
 碇石にみる交易圏/なぜ碇石か?/碇石研究の課題/西へと続く東アジア交易圏/東西のアンカー

〈木材から見た海域アジア交流〉第2章 「板渡の墨蹟」と日宋貿易
 1240年代/径山の火災/板渡の墨蹟/海域アジア交流を語る史料/墨蹟伝来の背景/円爾の前半生/
 円爾と無準の連絡/博多綱首謝国明/木材と日宋貿易/円爾の板渡/木材の行方/330/860/
 木材をめぐる攻防/三万貫の銅銭/三万貫は誰から誰に支払われるのか/なぜ三万貫を支払うのか/
 円爾・綱首と木材の関係/一連の尺牘から見えてくるもの

〈陶磁器から見た海域アジア交流1〉第3章 海域アジアの貿易陶磁とコンテナ陶磁

 遺跡出土の陶磁器、貿易陶磁/初期貿易陶磁/コンテナ陶磁/日本における初期貿易陶磁/
 博多──貿易陶磁の吸引口──/奥州平泉/鎌倉/南九州〜琉球の流通路/アユタヤ朝と海上交易/
 交易都市スパンブリとコンテナ生産/交易都市アユタヤとコンテナ陶磁生産/商品としてのタイ陶磁/
 アユタヤ領域内でのタイ陶磁流通/東南アジア島嶼部でのタイ陶磁流通/15世紀、東アジアのタイ陶磁流通/
 16世紀、東アジアのタイ陶磁流通/海上交易史におけるコンテナ陶磁研究の可能性

〈陶磁器から見た海域アジア交流2〉第4章 アジアの海を渡った龍泉青磁
 新安沈船の発見/新安沈船の龍泉窯青磁/「砧青磁」をめぐって/龍泉窯青磁とは/
 青磁の発生:龍泉窯が生まれる以前/龍泉窯の誕生と発展/汝窯と耀州窯の天青釉青磁:「砧青磁」の源流/
 南宋官窯と龍泉窯/海外に運ばれた龍泉窯青磁/元代前期の海外輸出/新安沈船の時代/龍泉窯のその後

〈貴金属から見た海域アジア交流〉第5章 銀と銅銭のアジア海道
 日本銀の登場以前/遊牧世界における銀/銀とモンゴル帝国/オルトクとは?/
 連環する海上ルートと陸上ルート/官豪勢要/官・民・軍の共存構造/ペルシャ湾のオルトク商人/
 キーシュ商人がつなぐアジアとイスラーム/インド洋での邂逅/中国銀は世界を廻ったのか?/
 元朝の銀事情/絹、陶磁器、茶、そして銀/インド洋を渡る馬と銀/銅銭をめぐる問題/沈没船と銅銭/
 中国銅銭は国際通貨か?/銀と銅銭から見たアジアとユーラシア

第6章 〈対談〉モノから見た海域アジア交流と日本
 1 アジアの「硫黄」海道と技術革新 対談相手:山内晋次(大阪大学)
 2 「ヤコウガイ」海道のゆくえ 対談相手:高梨 修(奄美市立奄美博物館)、田中史生(関東学院大学)
 3 中世「博多」の中国商人をめぐって 対談相手:田上勇一郎(福岡市埋蔵文化財センター)
 4 考古学から見た「琉球」史の転換点 対談相手:片桐千亜紀(沖縄県立埋蔵文化財センター)
 5 「平泉」の都市性とモノの流通 対談相手:佐藤嘉広(岩手県教育委員会)
 6 結節点としての中世港「十三湊」 対談相手:工藤 忍(青森県埋蔵文化財調査センター)
 7 沈没船が語る「南海交易」 対談相手:高 栄盛(南京大学)

参考文献
図版提供元一覧
あとがき
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