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詳細情報
水の大陸 アジア ヒマラヤ水系・大河・海洋・モンスーンとアジアの近現代 上製
スニール・アムリス/秋山勝 訳
出版社:草思社
出版年:2021年02月
コード:   506p   ISBN/ISSN 9784794224941
 
価格 4,180円
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世界最高峰のヒマラヤ山系に発する幾多の大河が流れるアジア。その「水」の恩恵と災厄との格闘がそのままアジアの歴史でもある。水の確保が人間の生活を支え、文明のかたちを定めてきた。アジアが現在、世界人口の過半数を擁するのは、自然増加ではなく綿々と続く水との格闘の成果でもある。だが、近代以降の水利技術の発達、それによる政治社会システムの変化が人口膨張、都市化の拡大、急激な経済開発を産み、その果てに水資源の枯渇や水質の広範な汚染が引き起こされ、それが新たな地域格差と紛争を生み出している。本書は近現代200年にわたるアジアについて、植民地帝国、資本主義、独立革命といった従来の歴史視点に「水」という新しい次元を加えることで、まったく新しい姿を描き出すものである。気候変動によってさらなる水資源の枯渇と争奪、地政学的な変化が広がりつつある現在、人間と水を考えるうえできわめて示唆に富んだ書である。

目次:
第1章 アジアのいまを作ってきたもの
 水をめぐるアジアの危機
 水をめぐるエコロジーの変遷
 なぜインドからの視点なのか

第2章 水と帝国
 デルタ地帯を救ったコットン卿
 インドの陸上と海上の富を一手に握ったイギリス
 インド気象学の基礎を築いたロクスバラ
 世界最大規模のガンジス運河の完成
 鉄道が敷設され、汽船が就航する
 サイクロンの姿を再現する

第3章 干上がった大地
 干ばつによる深刻な飢饉
 「破壊行為」の犯人は誰か
 「水」の問題が飢饉をもたらす根本原因
 英領インド帝国への怒りがインド全体に波及
 気象現象が「恐怖の生態学」の核心

第4章 水をはらんだ大気
 嵐と川の壮大な水の力の格闘
 刻々と変化する雲を表現する言葉
 ヒマラヤの降雪の謎
 国境を越えて関連するアジアの気象
 気象学と地政学が結びつく

第5章 水との格闘
 遠く離れた海洋や大気の影響
 汲み出されるのを待っている見えない川
 パンジャーブ地方の灌漑入植地と満州への移住
 産業が成長し水の需要が高まる
 灌漑の恩恵を受けられなかった地区の窮乏
 モンスーン研究の開拓者ギルバート・ウォーカー

第6章 水と自由
 水資源とアジアの民族主義運動
 自由を求める闘争と深くかかわる水問題
 モンスーンがインド人の受容的性質を決定づける
 治水事業をめぐるさまざまな衝突と国境問題
 戦時中のサイクロンによって、ふたたび飢饉に見舞われる

第7章 ダムと放水路
 ダム建設への熱意
 インドとパキスタンの分離独立と水をめぐる紛争
 食糧の配給制度が飢饉を回避
 ダム建設を記録した壮大な映画
 一人の女性の生涯にわたる自然と搾取との格闘を描いたインド映画
 ダム建設のために土地を追われ、生活が破綻した者たち
 中国の治水事業に圧倒された二人のエンジニア
 インド・中国の国境紛争とネルー時代の終焉

第8章 海洋と地下
 インド洋がモンスーンに与える影響
 インド洋調査の巨大プロジェクト
 「モンスーンの失敗」と政治的混乱
 環境問題と貧困の問題
 均一性を欠いていた水利事業
 エルニーニョ・南方振動の発見

第9章 荒れくるう地平線
 アジアの水危機──人口増加と急激な経済成長
 緑の革命が新たな危機を生み出す
 巨大ダムの建設ラッシュによる環境と社会への深刻な影響
 人為的に引き起こされた気候変動とモンスーンの自然変動の関連性
 国境を越えて水と気候変動の問題に取り組むこと

終章 水辺の歴史と記憶
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