植民地帝国日本における知と権力
上製
松田利彦 編
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出版社:思文閣出版 |
出版年:2019年02月 |
コード: 980p ISBN/ISSN 9784784219650 |
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日本の台湾・朝鮮・満洲国などに対する支配において、学問的知識・政策構想・イデオロギー・スローガンなど多様な形をとって現れた「知」に着目しつつ、「知」が帝国の支配に果たした役割や、植民地支配のなかでの被支配者の「知」のあり方を考察しようとする試み。 国際日本文化研究センター国際共同研究、台湾での合同ワークショップ、韓国での共催シンポジウムの成果。
目次: 序(松田利彦) 解説(松田利彦)
第Ⅰ部 研究の現状 「知と権力」からみた植民地帝国―朝鮮史研究における成果と課題―(松田利彦) 「台湾島史観」から植民地の知を再考する―植民地台湾における「知と権力」をめぐって―(陳姃湲)
第Ⅱ部 植民地化と知の再編 法学者・岡松参太郎の台湾経験と知の射程―植民地統治と「法の継受」をめぐって―(春山明哲) 領台初期の原住民調査(中生勝美) 俳文学、知識、植民地統治の交錯―『台湾歳時記』の編纂とその植物知識の系譜(顔杏如) 日本統治期における台湾人家族法と植民地統合問題(曾文亮) 「帝国」としての民法学へ―京城帝国大学の民法学者を中心に―(岡崎まゆみ)
第Ⅲ部 植民地官僚の知と植民地在留日本人の知 高等農林学校と植民地の知―鹿児島高等農業学校での田代安定の講義を中心に―(やまだあつし) 農村振興運動と八尋生男の政策思想(本間千景) 日本統治期台湾総督府における技術官僚の出自と活動分析―土木技師を例として―(蔡龍保) 雑誌『朝鮮仏教』誌上に見る日朝仏教の葛藤―一九二〇年代後半を中心に―(川瀬貴也) 女性植民者と帝国の「知」―台湾における田中きわの―(宮崎聖子)
第Ⅳ部 帝国の知と欧米世界の知 植民地官僚の統治認識―知と権力の観点から―(加藤道也) 志賀潔とロックフェラー財団―京城帝国大学医学部長時代の植民地朝鮮の医療衛生改革構想を中心に―(松田利彦) 日本の植民地医学から東アジア国際保健機構へ(劉士永) 戦前期における法学者・鵜飼信成の法学研究についての一試論―資本主義発達期の社会をめぐる政治と法の問題を中心に―(長沢一恵)
第Ⅴ部 被支配民族の知 朝鮮の開化派官僚・尹雄烈が描いた近代と日本(山本浄邦) 忘れられた独立運動家、李達―一九一〇年代の東アジア思想空間の断面―(小野容照) 植民地台湾からの「留学生」郭明昆―知の構築と実践を中心に―(紀旭峰) 台湾における近代性と民族性の葛藤―作曲家鄧雨賢の人物像の変容を中心として―(何義麟)
第Ⅵ部 脱植民地化/脱帝国化と知の再編 戦後朝鮮統治関係者による朝鮮統治史編纂―友邦協会を中心に―(李烔植) 満洲医科大学における医学博士学位授与について―終戦後授与学位に注目して―(通堂あゆみ) 日本の帝国大学における朝鮮人留学生の状況と帝国知識の連続/非連続―東京帝国大学卒業生崔應錫、李萬甲の事例を中心に―(鄭鍾賢) 白麟済の近代認識と自由主義(朴潤栽) 崔虎鎮の韓国経済史研究と東洋社会論(宋炳巻) 普成専門学校から金日成綜合大学へ―植民地知識人・金洸鎮の生涯と経済史研究―(洪宗郁)
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