「自分史」は語る 戦争の記憶、自分史における虚構、台湾日本語世代の自分史
上製
釋七月子
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出版社:晃洋書房 |
出版年:2020年11月 |
コード: 310p ISBN/ISSN 9784771032927 |
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自分史における戦争体験の継承、自分史における「虚構」の意味、台湾日本語世代の自分史など、新しい視点から自分史を論述する。本書では、自分史の調査データや自分史の変遷、自分史の現場の動きから、自分史の実態と方向性を明らかにしした。さらに今までほとんど研究されていない自分史の作品分析を行うことにより、自分史とはどのようなものかを具体的な形で提示。
目次: はじめに 1 自分史への思い 2 本書のねらい
第1部 自分史の概要 第1章 自分史成立前史と自分史定着の経緯 1 戦前の生活綴方 2 戦後の生活綴方から自分史誕生まで 3 自分史定着の経緯 第2章 様々な分野における自分史の捉え方 1 色川大吉の自分史 2 ライフヒストリーにおける自分史 3 自伝と自分史 4 文学と自分史 5 自分史実践理論
第2部 自分史の動向 第3章 データから読み取る自分史の動向――日本自分史センター・自分史図書館の蔵書の調査―― はじめに 1 日本自分史センター 2 自分史図書館 おわりに 第4章 戦争の記憶と自分史の変遷――自分史の書き方本からのアプローチ―― はじめに 1 自分史の書き方本 2 自分史の書き方本における戦争の記述 おわりに 第5章 ルポタージュー―NHK学園生涯学習通信講座―― はじめに 1 NHK学園自分史通信講座の概要 2 「自分史 入門コース ~私を書く・家族を書く~」 3 ルポタージュ「新・自分史 ~私を書く・家族を書く~」 4 NHK学園「新・自分史講座」副センター長・専任講師への聞き取り おわりに 第6章 自分史の方向性――「自分史産業」の台頭―― はじめに 1 「物語産業」から「自分史産業」へ ――新しい時代の幕上開け―― 2 「一般社団法人 自分史活用推進協議会」の活動 3 ツールとしての自分史 おわりに
第3部 自分史作品分析 第7章 自分史における「戦争体験の継承」――鈴木政子の作品群の分析を通して―― はじめに 1 鈴木政子のプロフィール 2 「戦争体験の継承」に対する意識の変化 3 「被害者意識」から「加害者意識」への変化 4 「まさこ」の最終証言――「女性の戦争被害」―― おわりに 第8章 自分史における「虚構」――鈴木政子『わたしの赤ちゃん』を中心に―― はじめに 1 北九州市自分史文学賞大賞作『わたしの赤ちゃん』 2 『わたしの赤ちゃん』における「虚構」の意味 3 自分史における「虚構」 おわりに 第9章 自分史における個人的な出来事の叙述 はじめに 1 自分史と私小説の違い 2 色川自分史と個人的な出来事 3 作品のもう一つの主題 4 もう一つの主題「母との確執」――『まわり道 わかれ道 ヨーガの道』―― おわりに 第10章 台湾日本語世代の自分史 はじめに 1 台湾日本語世代の自分史作品 2 台湾日本語世代の背景 3 台湾日本語世代の日本語と日本統治時代に対するノスタルジー 4 台湾日本語世代の朝鮮人感 おわりに 第11章 台湾日本語世代の自分史作品 1 語り続ける自分史 2 東俊賢の講演活動 3 「許嫁制度」を生きる おわりに
おわりに ――今後の課題―― あとがき
【初出一覧】 【参考文献】 【資料】 【Webサイト】 【本論文で取り上げた自分史】
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