重畳たるタクティックス 日中戦争期の話劇をめぐって
上製
楊韜
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出版社:汲古書院 |
出版年:2022年01月 |
コード: 236p ISBN/ISSN 9784762966989 |
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戦時下話劇の複雑な諸相を「重なり合う戦術」という観点から記述する試み
【序章より】(抜粋) 筆者は本書において、以下のことを目標とする。 さきの「日中戦争期における話劇文芸の概説」から分かるように、この時期の文化現象は非常に流動的なものである。 この動態的な枠組みにおいては、様々な衝突や矛盾が異なる範囲・異なる水準、しかも場合によっては同時進行の形で常に生じていたわけである。 このような決して一定の形を保つ「固体」ではない現象を検討するさいに、できるだけその膨大かつ複雑な諸相を「脈絡」によって立体的に見ることが重要だと考える。 ゆえに、筆者はここで「重畳たる戦術」という「脈絡」を導入し、日中戦争期の話劇をめぐる現象を可視化することを試みたい。
目次:
序 章 日中戦争期の話劇史研究という課題 第一節 日中戦争期における話劇文芸の概説 第二節 先行研究の検討 第三節 本書の視座と全体構成
第一章 戦時下話劇界の重層的生態図 第一節 戯劇春秋長夜行:近代話劇人の生態縮図 第二節 八千里路雲和月:戦時下移動演劇隊の実態と表象 第三節 双面人生共舞台:映画人鄭君里の話劇活動
第二章 中央青年劇社という存在 第一節 中央青年劇社の全体像 第二節 中央青年劇社の組織構造とネットワーク 第三節 中央青年劇社の創作と上演 【付録資料】『青年戯劇通訊』各号目次
第三章 重ね合う歴史と話劇 第一節 借古喩今:戦時下の歴史話劇というジャンル 第二節 田漢の場合:『春帆楼上的対話』と『朝鮮風雲』を中心に 第三節 楊村彬の場合:『秦良玉』と『光緒親政記』を中心に
補 論 特殊な代弁者 第一節 日中戦争下中国における反戦日本人の概説 第二節 反戦日本人による抗戦話劇運動の実態 第三節 丁玲の『河内一郎』と関係させて考えること
終 章 まとめと展望
関連略年表/文献一覧/後書き/論文初出一覧 人名索引/演目索引/英文要旨/中文要旨
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