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日韓中対照 依頼談話の発想と表現 /研究叢書544 上製
沖裕子,姜錫祐,趙華敏
出版社:和泉書院
出版年:2022年04月
コード:   358p   ISBN/ISSN 9784757610293
 
価格 8,250円
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対照談話論の基礎研究により、日本語接触問題の解決をめざした国際共著である。

依頼を談話レベルにおけるひとつのジャンルとして捉えたことが新しい点である。そのうえで、依頼と呼ばれるジャンルが日本語、韓国語、中国語で異なる特徴を持つことを、理論的、実証的に明らかにした。談話は、社会文化、意識態度、談話内容、談話表現の4層からなるとする同時結節モデルに立ち、各層別の記述を深めるとともに、4層の統合的展開として談話レベルのジャンル表現が成立することを示した。
本書の方法論的特徴としては、日本語、韓国語、中国語を母語とする日本語研究者が国際共同研究体制を組んだことで、談話レベルのジャンル的異同を巨視的に把捉したこと、それぞれの母語と習得日本語変種に対する内省観察の深い照合に成功したこと、三か国の大学生へのアンケート調査実施により計量的事実の発掘と内省観察の一部検証を行ったことである。


目次:
はしがき

序章 研究史における位置づけ
 1.ジャンルの発見、記述、説明
 2.影響を受けた研究思潮
 2.1 日常談話におけるジャンル研究の始発として
 2.2 九学会連合および糸魚川の共同調査
 2.3 語の意味分析における実例と作例の活用
 2.4 文学的ジャンル研究
 2.5 社会言語学と認知言語学そして心理言語学
 2.6 動態的言語観と結節観
 2.7 ポライトネス理論について
 2.8 文法的敬語体系と敬語運用法
 2.9 敬語行動の研究
 2.10 国際調査と計量的研究
 2.11 言語学的談話論
 3.研究史における本書の位置づけ

第1章 研究の目的と方法
 1.問題のありかと本書の特長
 2.本書の談話観
 2.1 言語学的談話論に立脚する
 2.2 談話単位の特徴
 2.3 談話の同時結節モデル
 3.研究目的―ジャンルの発見、記述、説明―
 4.方法論その1―対照談話論―
 5.方法論その2―談話使用における型の記述と説明―
 6.方法論その3―対照談話論における内省法の活用―
 7.実証資料としての文章と談話
 8.本書の構成と執筆分担
 9.新規性からみた結果の概要

第2章 社会文化の影響をうけた依頼談話表現〈日韓中対照〉
 1.対照研究における発想と表現の研究史
 1.1 日英対照から出発した発想と表現の研究
 1.2 発想と表現の研究に必要な談話モデル
 2.日韓中対照談話論の必要性
 2.1 なぜ日韓中を対照させるのか
 2.2 なぜ依頼談話をとりあげるのか
 2.3 内省分析と計量的検証結果の照合について
 3.社会文化を記述する重要性
 3.1 言語選択における社会文化という要因
 3.2 日韓中社会における互恵関係の有無と様態
 3.2.1 互恵関係とは
 3.2.2 中国社会の互恵関係
 3.2.3 韓国社会の互恵関係
 3.2.4 互恵関係の社会習慣が無い日本社会
 4.社会文化を反映した依頼の意識態度
 4.1 依頼の意識態度の差異を生む要因
 4.2 中国の依頼の意識態度
 4.3 韓国の依頼の意識態度
 4.4 日本の依頼の意識態度
 5.日韓中談話の談話内容と談話表現
 5.1 談話内容と談話表現
 5.2 中国語の依頼談話:収集実例より
 5.3 韓国語の依頼談話:収集実例より
 5.4 日本語の依頼談話:収集実例より
 5.5 依頼談話の談話内容と談話表現
 6.日韓中依頼談話の発想と表現

第3章 談話内容の影響をうけた依頼談話表現〈日中対照〉
 1.はじめに
 2.中国語母語話者の誤用と母語干渉
 2.1 中国語母語話者の依頼談話に関する誤用
 2.2 母語干渉からくる誤用のうたがい
 3.談話内容・談話表現における負の母語干渉
 3.1 談話内容・談話表現の日中対照
 3.2 談話内容の日中対照
 3.3 談話表現の日中対照
 3.4 依頼談話の内容と表現にみる負の母語干渉
 4.社会文化・意識態度を要因とした負の母語干渉
 4.1 社会文化・意識態度と談話表現
 4.2 社会における人間関係構築法の日中対照
 4.3 依頼の当然性に対する感覚の日中対照
 4.4 丁寧さの感覚の日中対照
 4.5 社会文化・意識態度からくる負の母語干渉
 5.日中依頼談話の特徴
 6.談話習得のために
 6.1 言語摩擦を乗り越えるために―研究面から―
 6.2 言語摩擦を乗り越えるために―教育面から―

第4章 意識態度の影響をうけた談話表現法(1)〈日韓対照〉
 1.はじめに
 2.問題の所在
 3.本研究の目的と方法
 4.日本語接触場面にみる違和感
 4.1 雑談をめぐる違和感
 4.2 結婚式への招待をめぐる違和感
 4.3 「座」をめぐる違和感
 4.4 情緒的違和感の観察が意味するもの:日韓の談話構築態度の異なり
 5.日本語の談話構築態度
 5.1 先行研究にみる日本語の談話構築態度のモデル
 5.2 言語過程説における場面意識
 5.3 心的構図「三項関係」モデル
 6.韓国語と比較した日本語の談話構築態度
 6.1 韓国語と日本語の談話構築態度の異同
 6.2 日本語人の談話構築態度モデル
 6.3 韓国語人の談話構築態度
 7.日韓の談話構築態度モデルの有効性

第5章 意識態度の影響をうけた談話表現法(2)〈日韓中対照〉
 1.はじめに
 2.中国語の談話構築態度モデルの検討
 3.日中の談話的異同
 3.1 場所描写から始まる中国語と状況描写から始まる日本語
 3.2 客観的把握の中国語と主観的把握の日本語
 3.3 聞き手スペースが希薄な中国語談話:田窪(1990、2010)の指摘より
 3.4 相手も自分と同じ感覚であるはずと思う中国:坂本・薛(2015)の指摘より
 4.日中の談話構築態度の異同
 4.1 日本語談話にみられる談話構築態度
 4.2 中国語談話にみられる談話構築態度
 5.なぜ韓国語談話では名詞止め文の使用が制限されるか
 6.なぜ日本語談話に共話がみられるか
 7.日本語・韓国語・中国語の談話構築態度

第6章 大学生の依頼談話意識〈日韓対照〉
 1.本章の目的
 2.調査の概要
 2.1 調査時期および調査方法
 2.2 被調査者の属性と調査対象者についての考え方
 2.3 調査項目の構造
 3.調査結果総覧
 4.人間関係
 5.親友との交流実態
 6.依頼様態と依頼意識
 7.依頼内容と依頼表現に関する意識
 8.依頼をめぐる価値意識
 9.内省法による談話分析結果の計量的検証について
 10.おわりに

第7章 大学生の依頼談話意識〈日中対照〉
 1.本章の目的
 2.調査の概要
 2.1 調査時期および調査方法
 2.2 被調査者の属性と調査対象者についての考え方
 2.3 調査項目の構造
 3.調査結果総覧
 4.人間関係
 4.1 付き合いをする人々
 4.2 頼りになるかどうか
 5.親友との交流実態
 6.依頼様態と依頼意識
 6.1 依頼された経験の有無
 6.2 借りることができるか否か
 6.3 頼みごとをすることについて
 6.4 別の友人に頼んでまで実現するか否か
 7.依頼表現に関する意識―頼む時と断る時―
 7.1 頼むときの表現
 7.2 頼みを断るときの表現
 8.依頼不調時の心情
 8.1 頼みを断るときの心情
 8.2 断りの表現から受ける気持ち
 8.3 頼むときわびの言葉を添えるか
 9.依頼をめぐる価値意識
 9.1 日中の回答の対照と有意差
 9.2 丁寧さの感覚
 9.3 親しい人への礼儀
 9.4 頼まれた時の心情
 9.5 依頼に伴う行動
 9.6 依頼のやりとりに関する意識
 10.おわりに

第6、7章 補遺
 1.韓国・中国対照:調査票の構造とχ2検定の有意差一覧
 2.調査票(日本語版、韓国語版、中国語版)

第8章 韓日異文化コミュニケーションの留意点
 1.はじめに
 2.先行研究の検討および本研究の理論的背景と方向
 3.調査の概要と設定場面の特徴
 4.調査結果と分析
 4.1 発想の観点からみる韓日依頼行動
 4.1.1 妥当性と緊急性にみる依頼行動意識の韓日比較
 4.1.2 負担度からみる依頼行動意識の韓日比較
 4.2 表現の観点からみる韓日依頼行動
 4.2.1 ジュース場面からみる韓日依頼表現の構造の特徴
 4.2.2 特講場面からみる韓日依頼表現の構造の特徴
 5.おわりに

第9章 主観性の相違からみた中日の言語使用
 1.はじめに
 2.先行研究
 3.中国語人日本語学習者が使う日本語からみる日本語人の主観性との相違
 4.主観性の相違による言語使用への影響について
 4.1 「主客合一的把握」と「主客対立的把握」
 4.2 中国語人の認知スタンス
 5.おわりに

第10章 日本語談話の表現法―談話種変換について―
 1.はじめに
 2.談話種変換とは何か
 3.わきまえ
 4.察し
 5.見立てと仕立て
 6.要請あるいは依頼の談話にみる談話種変換と内容埋め込み
 7.日本語談話の表現法的特徴について
 8.おわりに

第11章 日本語談話の曖昧性―依頼と連続する命令談話の表現法―
1.はじめに
2.命令という言語行動
3.命令表現の定義
4.日本語の命令表現を成立させる〔事態〕と{意識}
5.命令表現の《内容》と//表現//
6.形態法からみた命令表現
7.文タイプからみた命令表現
8.談話法からみた命令表現
9.おわりに

第12章 対照談話論のための作例談話
 1.はじめに
 2.作例談話資料の概要
 3.韓国語談話変種(韓国人男性大学教員)
 3.1 記入者の言語経歴
 3.2 申出談話について
 3.3 依頼談話について
 4.中国語談話変種(中国人女性大学教員)
 4.1 記入者言語経歴
 4.2 申出談話について
 4.3 依頼談話について
 5.日本語談話変種(日本人男性大学教員)
 5.1 記入者の言語経歴
 5.2 申出談話について
 5.3 依頼談話について
 6.日本語談話変種(日本人女性大学教員)
 6.1 記入者の言語経歴
 6.2 申出談話について
 6.3 依頼談話について
 7.日韓中の申出談話にみる発想と表現
 8.日韓中の依頼談話にみる発想と表現
 9.おわりに

初出一覧
参考文献
索引
Abstract and Table of Contents
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