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王朝漢詩叢攷
/研究叢書
上製
本間洋一
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出版社:和泉書院 |
出版年:2019年08月 |
コード: 306p ISBN/ISSN 9784757609150 |
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平安時代の漢詩の表現について考究する十四篇からなる著者二冊目の論文集。勅撰漢詩集の成立をめぐる論、『菅家文草』の本文に誤写が多く見られることを指摘して論じ、道真漢詩の解釈に新たな光を当てる三論の他、書の「三蹟」(小野道風・藤原佐理・藤原行成)と漢詩世界との関わり、これまで見過ごされてきた『屏風土代』などの表現を詳細に解読する二論も所収する。さらに、『本朝無題詩』『中右記部類紙背漢詩』と『白氏文集』の密接な関係を明らかにする二論、漢詩の多様な飲酒詠の表現世界をとりあげ、その特質を論じ、白詩と比較対照する二論も収める。また、王朝漢詩と海外をめぐる二論では、朝鮮半島や宋朝との関係の一端を切り出して、東アジア世界の交流に注目し、加えて、「筧」をめぐる漢詩と和歌の表現の相違に視点を当てたり、近代詩歌(若山牧水・高村光太郎)と漢詩の関係などについて説く論を所収するなど、和漢比較文学研究の基本的論考集。
目次: 第1章 嵯峨帝と漢詩人達 一 嵯峨帝と文人賦詩 二 『凌雲新集』『文華秀麗集』『経国集』の詩人達 三 『文華秀麗集』『経国集』編纂と藤原冬嗣 四 むすびにかえて
第2章 『菅家文草』をめぐって―菅原道真没後一一〇〇年に向けて― 一 『菅家文草』『菅家後集』研究への期待 二 『菅家文草』の本文をめぐって 三 詩の解釈をめぐって 四 むすびに
第3章 菅原道真の漢詩解釈臆説―交遊詩をめぐって― 一 はじめに 二 「傷藤進士呈東閤諸執事」詩をめぐって 三 「謁河州藤員外刺史聊叙所懐敬以奉呈」詩をめぐって 四 「依病閑居聊述所懐奉寄大学士」詩をめぐって
第4章 『菅家文草』断章―漢詩の本文と解釈をめぐる覚書― 一 本文の誤字をめぐって 二 「会安秀才餞舎兄防州」詩をめぐって 三 「過尾州滋司馬文亭感舎弟四郎壁書弾琴妙……」詩をめぐって 四 「御製題梅花賜臣等……」詩をめぐって 五 「賦殿前梅花」詩をめぐって
第5章 宮廷文学と書―「三蹟」と詩人をめぐる劄記― 一 書蹟を売る女 二 『屏風土代』の本文をめぐって―大江朝綱と小野道風― 三 『屏風土代』と絵画 四 藤原佐理「詩懐紙」をめぐって 五 詩人藤原行成―その交遊詩をめぐって― 六 海を渡った三蹟
第6章 『屏風土代』を読む―大江朝綱の漢詩をめぐって― 一 はじめに 二 「春日山居」詩 三 「尋春花」詩 四 「惜残春」詩 五 「林塘避暑」詩 六 「山中自述」詩 七 「山中感懐」詩 八 「書斎独居」詩 九 「送僧帰山」詩 十 「問春」詩 十一 「七夕代牛女」詩 十二 「楼上追涼」詩 十三 むすびに
第7章 『本朝無題詩』と白詩 一 『白氏文集』を常に握翫すべし 二 『無題詩』と白詩―措辞・詩形式の一端― 三 故事享受への視点―白詩の介在― 四 むすびにかえて
第8章 院政期漢詩と白詩をめぐる劄記 一 『江談抄』から 二 『中右記部類紙背漢詩』をめぐって 三 「上陽春」異聞 四 柿の紅葉の周辺―むすびにかえて―
第9章 王朝漢詩の飲酒詠管見―語彙・故事をめぐる覚書として― 一 上代の飲酒詠 二 勅撰漢詩集の時代の飲酒詠 三 島田忠臣から菅原道真へ 四 飲酒語彙・故事覚書
第10章 白居易の飲酒詩と平安朝漢詩 一 はじめに 二 勧酒と禁酒 三 飲酒詠の表現と語彙をめぐって 四 飲酒詩の摘句をめぐって―『千載佳句』『和漢朗詠集』『新撰朗詠集』― 五 飲酒詠の基調
第11章 漢詩とその背景―北東アジア史の一齣から― 一 嵯峨天皇から菅原道真へ 二 海外からのまなざし―朝鮮半島と日本― 三 聖世矜恃―日本と宋― 四 悲運の僧―雪村友梅をめぐって― 五 むすびに
第12章 王朝漢詩と海彼―東アジアの漢詩をめぐる臆説― 一 はじめに 二 崔致遠をめぐって 三 宋と本朝 四 むすびに
第13章 筧〈かけひ〉の見える風景―漢詩と和歌と― 一 はじめに 二 平安朝和歌の「かけひ」 三 禅林の漢詩詠 四 むすびに―宋詩の世界から―
第14章 日本文学と中国古典漢詩をめぐる断章 一 はじめに 二 近代の詩歌から―若山牧水・高村光太郎と漢詩の表現― 三 菅原道真の漢詩から 四 「登楼賦」をめぐって 五 むすびに
索引 人名索引 書名・詩題索引
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