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歴史がおわるまえに
與那覇潤
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出版社:亜紀書房 |
出版年:2019年10月 |
コード: 294p ISBN/ISSN 9784750516103 |
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歴史は「私たちの進路」を、もう照らさない。虚心に過去を省みれば、よりよい政治や外国との関係を築けるはず――そうした「幻想」は、どのように壊れていったか。東京五輪や三島事件にまで遡り、安倍長期政権やトランプ登場をもたらした「もう歴史に学ばない社会」の形成をたどる。1995年の戦後50周年や、2011年の震災と原発事故のとき、「歴史に学ぶ」ことの大切さを多くの人が語った。しかしその後に来たのは、歴史修正主義の台頭、脱原発ブームの収束、新党バブルの崩壊、過去を無視する大国の指導者の登場……。どうしてこんなことに?往年の偉人ですら「キャラ」になり、国民が共有できる「物語」はすっかり消えたいま、私たちに「歴史」は必要なのだろうか?
目次 はじめに―偶然にたどりつくまで 1 日本史を語りなおす――史論 書き直される日本中世史――義経・後醍醐・信長の実像 呉座勇一+與那覇潤 儒学者たちの明治維新――ひっくり返った江戸の「スクールカースト」 河野有理+與那覇潤 すべては「崩壊」から始まった――日本人の「美と国民性」の源流 福嶋亮大+與那覇潤 歴史学に何が可能か――「中国化」と「江湖」の交点 東島誠+與那覇潤
2 眼前の潮流をよむ――時評 二〇一二年は“政治”の年だった!?――書棚の民主主義論 仲正昌樹+與那覇潤 橋下徹淋しき「戦後民主主義」の自画像 日本政治の「中国化」――揺らぐ議会制民主主義 解釈改憲と「戦後」の終わり――『美しい国へ』と『日本改造計画』 宇野常寛+與那覇潤 補助輪付きだった戦後民主主義――ヤンキーと国家 斎藤環+與那覇潤
3 現代の原点をさがして――戦後再訪 一九六八年からの置手紙――篠原一『日本の政治風土』 交錯する南北朝史――網野善彦と山本七平 一九七〇年代試論――「遅れてきた戦中派」の登場 ふたつの「中国化論」――江藤淳と山本七平 戦中派の退場
4 歴史がおわったあとに――現在 歴史学者廃業記――歴史喪失の時代 偶然性と代理――歴史の不在を生きる技法とは 歴史なき世界のはじまり――凡庸な独裁者たちの肖像
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