李贄 明末〈異端〉の言語世界
/早稲田大学エウプラクシス叢書33
上製
阿部亘
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出版社:早稲田大学出版部 |
出版年:2022年02月 |
コード: 322p ISBN/ISSN 9784657228024 |
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儒仏道三教を融合し、小説や戯曲を愛好し、暗雲たちこめる明代末期の朝野を駆け抜けた異端思想家、李贄(1527-1602)。その思索は伝統に根ざしながら、中国思想の新たな地平を切り拓くものであった。言葉への盲目的服従は、人を束縛し、本来の「心」を失わせる――彼は言葉の機能を問い続けた。歴史、政治、学びの場、文学の世界、死生観をめぐって、李贄の言葉の旅を辿る。
目次:
序章 孤絶と邂逅の思想家――その生涯と源流 一 異端者の生涯――李贄略伝 二 〈伝わらなさ〉をめぐる問い――本書の問題意識 三 従来の研究
第一章 言葉は如何に機能するか 一 言葉という陥穽――言語のよそよそしさ 二 非識字者の倫理性 三 読むことと学ぶこと 四 書くことと教えること 五 時と出逢う言葉
第二章 師はどこにいるのか――求道者の学び 一 師になるということ――自任への批判 二 弟子になるということ――好学から奔走へ 第三章 政治の場での語り――弾劾と諫言 一 弾劾と排他性――君子と小人 二 諌言の限界 三 君臣の離間を超えて 四 万暦中期の弾劾と諌言
第四章 他者によりそう――言葉における近さ 一 「邇言」のイメージ 二 統治者と「邇言」 三 聖人のパースペクティブ 四 実践の階梯
第五章 詩文に託されたもの――その社会性をめぐって 一 物語を如何に読むか 二 「文学」に生きた人々
第六章 自己を語る言葉――歴史への自己投影 一 歴史への自己投影 二 情況という重力
第七章 死を語る言葉――死にゆく自己 一 死を恐れることと名を好むこと 二 死を無化する原理――如何に死への怖れを超えるか 三 死を前にした実践――死に意味を持たせること 四 死者としての自己――書物に潜む死者
終 章 自由か、束縛か
あとがき 人名索引 書名索引 英文サマリー
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