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「大分岐論争」とは何か 中国とヨーロッパの比較
上製
パトリック・カール・オブライエン/玉木俊明 訳
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出版社:ミネルヴァ書房 |
出版年:2023年12月 |
コード: 212p ISBN/ISSN 9784623096183 |
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ポメランツ『大分岐』の上梓以降の研究史を咀嚼し、カリフォルニア学派との対話を踏まえ提示する新たな視点。
2000年にポメランツが『大分岐』を上梓して以降、ヨーロッパが中国よりも経済的に優勢であったのではなく、近世(1500年から1800年)のある時期、中国がヨーロッパの経済力を上回っていたということが、世界の経済史学界のコンセンサスになった。本書は、このような研究動向を咀嚼しつつ、計量経済学の成果とともに、環境史・農業史・科学史の観点を含め、中国とヨーロッパの比較を行う。グローバル経済史の碩学による最新の大分岐論。 原著:Patrick Karl O'Brien, The Economies of Imperial China and Western Europe: Debating the Great Divergence, Palgrave Macmillan, 2020
◎グローバル経済史の第一人者である著者が、この分野で最大の論争に関する彼自身の立ち位置を提示した、コンパクトながらも濃密な内容の一冊。
目次:
日本語版への序文 序文と謝意
第1章 研究史整理と文献紹介 「大分岐」とは何か ヨーロッパに伝わった中華帝国の情報 中国が直面した困難 相対的衰退はなぜ生じたのか 「大分岐」論へ
第2章 中華帝国と西欧の経済的分岐に関する統計ベース――1636~1839年 中国の有機経済 理論的根拠を求めて 到達した結論 アンガス・マディソンのアプローチ 社会集団に焦点を当てる
第3章 環境と天然資源 西洋の勃興と中国の衰退 中国の農業史 中国の農業経済 ヨーロッパ中心主義からの脱却 「不可逆的な変化の局面」への対処
第4章 明清という帝国主義国家とその農業経済 カリフォルニア学派の挑戦 反駁されてこなかった論点 説得力ある見方の登場 大分岐が明確になった原因 危機を放置した清国 太平天国の乱 利用できない統計的証拠 「17世紀の危機」の影響
第5章 ヨーロッパと中国の相互比較――経済成長 1650~1850年 一つの重要な結論 南北アメリカの立ち位置 大収斂と大分岐 エネルギー問題と中国 枯渇する森林資源 経済理論と都市史の協働 軍事的紛争のコスト
第6章 ヨーロッパと中国における有用で信頼のおける知識の発見・発展・普及 人間の営為における進歩と革新 知識の形成と普及 世界史的エポックからの刺激 ニーダムの問い 中国のエリート教育 「賢明」な近代中国科学
終 章 論争をともなう結論 議論の終焉 私の結論
訳者解説 訳者あとがき 参考文献 索 引
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