帝国をつなぐ〈声〉 日本植民地時代の台湾ラジオ
上製
井川充雄
|
|
出版社:ミネルヴァ書房 |
出版年:2022年02月 |
コード: 262p ISBN/ISSN 9784623092796 |
|
|
|
<東京店在庫有り>
東京店に在庫がございます。少部数のものもございますので、ご来店の場合は直接お問合せください。
|
|
|
|
|
植民地下の台湾を舞台に、帝国をつなぐ〈声〉として機能した初期ラジオの実相を明らかにする。
1925年に始まった日本のラジオ放送は、1928年11月の御大礼を中継するべく、「外地」や満洲国も含めた放送網の整備を進めた。日中戦争が始まると、「東亜放送網」を形成し、日本の版図全域に拡大。ラジオは国語やラジオ体操の普及など、国民化=皇民化のための文化的統合の手段として用いられ、また台湾放送協会は南方への宣伝の拠点ともなった。本書は、台湾を舞台に、帝国をつなぐ〈声〉として機能した初期ラジオの実相を明らかにする。
[ここがポイント] ・ラジオを通じた日本の戦時プロパガンダを解説。 ・台湾の放送メディアの成立の史実を紹介。
目次: 序章 「帝国」の時代に、ラジオはいかに響いたか
第Ⅰ部 台湾放送協会の設立と発展 第一章 台湾におけるラジオの登場 1 乱れ飛ぶ電波 2 天皇の〈声〉への希求──御大典と台北放送局の設立 3 台湾放送協会の設立 4 総督府交通局と台湾放送協会 第二章 台湾ラジオと東亜放送網の拡充 1 日台ネットワークの確立 2 内地と外地の交換放送 3 東亜放送網の形成 4 太平洋戦争下の東亜放送
第Ⅱ部 台湾社会とラジオ 第三章 時差撤廃とラジオ──ラジオの作る時間観念 1 帝国と標準時 2 時差撤廃をめぐる論争 3 時差撤廃の前後 4 ラジオの作る時間 第四章 日本統治時代の台湾におけるラジオ体操──動員される身体 1 ラジオ体操と身体 2 台湾におけるラジオ体操の開始 3 ラジオ体操の集団化 第五章 日本統治時代の台湾におけるラジオリスナー 1 統計調査から見るラジオ聴取者 2 台湾人の日記に見るラジオ 第六章 台湾におけるラジオ塔──日本統治下の台湾におけるラジオの共同聴取 1 遺構としてのラヂオ塔 2 ラヂオ塔の設置 3 台湾におけるラヂオ塔の設置 4 事変後のラジオと聴取者
第Ⅲ部 戦時下の台湾放送協会 第七章 アジア・南方への拠点としての台湾放送協会 1 台湾放送協会に対するアジア・南方への拠点としての期待 2 台湾のラジオ放送聴取調査 3 台湾放送協会による海外放送の開始 4 民雄放送所の設置と太平洋戦争 第八章 太平洋戦争下の台湾放送協会 1 副見喬雄と台湾総督府交通局 2 太平洋戦争の開戦当日 3 二重放送の開始 4 その他のインフラ整備 第九章 台湾における玉音放送──台湾統治の終わりの始まり 1 外地における玉音放送 2 台湾における玉音放送 3 接収までの経緯 4 接収後の台湾のラジオ放送
終章 解体される「帝国」とラジオ
主要参考文献 あとがき 人名・事項索引
|
|