通俗小説からみる文学史 1950年代台湾の反共と恋愛
上製
張文菁
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出版社:法政大学出版局 |
出版年:2022年02月 |
コード: 294p ISBN/ISSN 9784588495205 |
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日本の植民地統治が終わると、台湾はそれまでの「国語」を失い、図書市場を新たに構築せざるを得なくなった。 国民党政権から反共文芸を推奨されるなか、巷の貸本屋で読まれたものは何であったか。 作家や作品に加え、政策、市場、メディア、読者の多角的な視点を加えた全7章。 文壇から追放された商業出版のしたたかな戦略と共に、恋愛小説がジャンルとして認知される過程を描き出す。
目次: 序章 台湾文学史における一九五〇年代 1 本書の問題意識 2 研究の目的と先行研究の問題点 3 本書の課題と各章の構成 第1章 戦後初期の文化状況 1 台湾人による戦後初の総合誌『新新』 2 戦後初期の雑誌出版 3 台湾社会の世論を反映した誌面作り 4 台湾人意識と読者の活字離れ 第2章 禁書政策と中国語図書市場の形成 1 文化政策の転換:「脱日本化」から「反共」へ 2 一九四〇年代末から五〇年代初頭の台湾図書市場 3 禁書の諸相 4 禁書政策の影響 5 台湾通俗小説の出現へ 第3章 戦後初期の言語転換と台湾人読者 1 中国語リテラシーと読者 2 一九五〇年代の中国語識字者 3 台湾人読者の実相 第4章 新聞「副刊」と通俗小説の勃興 1 台湾における「副刊」の存在 2 「報禁」と民間紙 3 初期『聯合報』副刊連載小説の傾向と変化 4 李費蒙と李敬洪の図画小説 第5章 一九五〇年代初期における文化政策と雑誌の発展 1 反共文芸の推進 2 文化政策の揺れと娯楽誌の流行 3 雑誌出版とその実態 4 総合誌を支える暴露ネタ 第6章 反共文壇の分化と通俗図書市場の成立 1 通俗小説という視座 2 文化清潔運動 3 官能的な反共小説:女スパイの色仕掛け 4 通俗小説に対する需要の高まり 第7章 通俗恋愛小説がジャンルとして確立するまで 1 通俗恋愛小説の誕生:そこにある誤解 2 一九五〇年代前半の作家と作品 3 出版業界の変化 終章 通俗出版が彩った一九五〇年代の台湾文学 1 本書の課題に対するまとめ 2 今後の課題
注 参考文献 あとがき
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