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文と書 中国書字思想の探究
上製
亀澤孝幸
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出版社:勉誠出版 |
出版年:2023年03月 |
コード: 288p ISBN/ISSN 9784585370086 |
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「文字を書くこと」の思想体系を探る──
近代以前の中国において、「書」は文学や絵画と並ぶ最高の芸術とみなされていた。 文字をつかさどることは世界の統治と同等の意味を有し、この根源的な政治性とあいまって、文字や言葉を記す「書」は中国文化における重要な地位を占めるに至った。 書論のみならず文字学、言語哲学、文学論、画論など文字や書くことに関する諸種のテクストを相互に接続、交差させることで、「文字を書くこと」に関する思想―書字思想の体系を明らかにする。 近代以降に形成された造形芸術としての片面的な評価を改め、「書字」という人間の普遍的な営みから「書」の意義を捉えかえす意欲作。
目次: 序論 一 本書の主題 二 造形芸術としての書への批判 三 言語に根ざす書 四 中国書字思想の探究 五 本書の構成
第一章 言葉・文字・書 一 文字と権力 二 声の文化と文字の文化 三 共通語としての漢字・漢文 四 「史」と書字 五 言葉への怖れ 六 書字の蔑視 七 張懐瓘の書字思想
第二章 文の起源 一 〈文〉の概念体系 1 文字 2 文様 3 文章・書物・学問 4 色彩 5 音声・音楽 6 まじわること 7 本質の外面的なあらわれ 8 かざり・形式 9 文化・礼楽制度・儀礼 10 文徳(文治の徳) 二 殷代甲骨・金文にみえる〈文〉 三 西周金文にみえる〈文〉 四 『尚書』にみえる〈文〉 五 『詩経』にみえる〈文〉 六 〈文〉と祖先崇拝
第三章 文と書の芸術化 一 芸術と理論 二 文と詩 三 永明文学と永明書学 四 書の美学の確立 1 王献之と羊欣 2 王僧虔 3 「工夫」の肯定 4 王僧虔『論書』のテクストが孕む問題 5 蕭子良と梁武帝
第四章 風骨の美学 一 美学概念としての「風骨」 二 魏晋南北朝から唐末までの「風骨」の用例 三 「風骨」の美学の形成 四 劉勰の「風骨」論 五 張懐瓘の「風骨」論 1 書論論を貫く「風骨」の美学 2 張懐瓘の書論にみえる「風骨」 3 「風神」 4 「風骨」と尚古主義 5 四賢論の系譜 6 形骸化した王羲之書法への批判 六 唐代文学に受け継がれた「風骨」
第五章 文・書・画の理論的統合―劉勰・張懐瓘・張彦遠 一 劉勰の文論 二 張懐瓘の書論 三 張彦遠の画論 1 張懐瓘と張彦遠 2 書画同体論 3 画聖・呉道玄と「山水の変」 4 画の社会的地位
参考文献一覧 あとがき 初出一覧 索引
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