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海外の日本中世史研究 「日本史」・自国史・外国史の交差
/アジア遊学289
黄霄龍,堀川康史 編
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出版社:勉誠社 |
出版年:2023年10月 |
コード: 304p ISBN/ISSN 9784585325352 |
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日本中世史は、日本人研究者による「自国史」研究としてだけでなく、海外においても、日本とは異なる文化的・学術的背景のもとで研究が進められ、地域ごとの特色を帯びながら独自の発展を遂げている。この数十年の間、国や地域を越えた学術交流はより一層広がりをみせているが、各地域における研究視角や背景を踏まえた相互参照・相互批判までには至っていないのが実情である。 本書では、英語圏・韓国・中国・ドイツ語圏における研究の動向、在外研究による経験・知見、参照軸としての日本における外国史研究、外国語で書かれた近年の研究成果などを通じて、多元的に存在する地域ごとの「知の体系」を照らし出すことで、「知の循環」の実践のための道筋を示す。
目次: 序論 日本中世史研究をめぐる知の交差(黄霄龍,堀川康史)
第1部 海外における日本中世史研究の現在 光と闇を越えて―日本中世史の展望(トーマス・コンラン) 韓国からみた日本中世史―「伝統」と「革新」の観点から(朴秀哲) 中国で日本中世史を「発見」する(銭静怡) ドイツ語圏における日本の中世史学(ダニエル・シュライ) 英語圏の日本中世経済史研究(イーサン・セーガル/坂井武尊 翻訳) 女性史・ジェンダー史研究とエージェンシー(河合佐知子) 海外における日本中世史研究の動向―若手研究者による研究と雇用の展望(ポーラ・R・カーティス) 〈コラム〉在外日本前近代史研究の学統は描けるのか(坂上康俊)
第2部 日本側研究者の視点から イギリス滞在経験からみた海外における日本中世史研究(川戸貴史) もう一つの十四世紀・南北朝期研究―プリンストン大学での一年から(堀川康史) 歴史翻訳学ことはじめ―英語圏から自国史を意識する(菊地大樹) ケンブリッジ日本学見聞録―研究・教育体制と原本の重要性(佐藤雄基) ドイツで/における日本中世史研究(田中誠) 〈コラム〉比較文書史料研究の現場から(高橋一樹)
第3部 日本で外国史を研究すること 日本で外国史を研究すること―中世ヨーロッパ史とイタリア史の現場から(佐藤公美) 交錯する視点―日本における「外国史」としてのベトナム史研究(多賀良寛) 日本でモンゴル帝国史を研究すること(向正樹) 自国史と外国史、知の循環―近世オランダ宗教史学史についての一考察(安平弦司) 〈コラム〉中国における日本古代・中世史研究の「周縁化」と展望(王海燕)
第4部 書評と紹介 南基鶴『가마쿠라막부 정치사의 연구』(『鎌倉幕府政治史の研究』)(高銀美) Kawai Sachiko, Uncertain Powers: Sen’yōmon-in and Landownership by Royal Women in Early Medieval Japan(河合佐知子『土地が生み出す「力」の複雑性―中世前期の荘園領主としての天皇家の女性たち』)(亀井ダイチ利永子) Morten Oxenboell, Akutō and Rural Conflict in Medieval Japan(モーテン・オクセンボール『日本中世の悪党と地域紛争』)(堀川康史) Morgan Pitelka, Reading Medieval Ruins: Urban Life and Destruction in Sixteenth -Century Japan(モーガン・ピテルカ『中世の遺跡を読み解く―十六世紀日本の都市生活とその破壊』)(黄霄龍) Thomas D. Conlan, Samurai and the Warrior Culture of Japan, 471-1877: A Sourcebook (トーマス・D・コンラン『サムライと日本の武士文化:四七一―一八七七 史料集』)(佐藤雄基) 〈コラム〉新ケンブリッジ・ヒストリー・オブ・ジャパンについて(ヒトミ・トノムラ)
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