日本中世の課税制度 段銭の成立と展開
/アジア遊学270
志賀節子,三枝暁子 編
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出版社:勉誠出版 |
出版年:2022年05月 |
コード: 224p ISBN/ISSN 9784585325161 |
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日本中世の「公共事業」を支えた税制を探る
段銭(反銭)は、田一反毎に一定額の銭を一律に賦課した中世特有の税制である。 朝廷・幕府の行う国家的行事や、寺社の造営・修造などを名目として臨時に賦課徴収された。 その実態は時期により変容しており、室町幕府をはじめ守護や寺社など、様々な賦課主体が、どのように段銭を徴収していたのかについては、これまで十分には検討されていない。 国家中枢から在地社会に至るまでの諸階層が、深く関与していた段銭徴収の実態を探ることで、日本中世の収取構造、さらには税制を通じた支配秩序の形成過程を明らかにする。
目次: 序章 論集の刊行意図と本書の構成(志賀節子) 段銭研究の現状と課題(高木純一)
Ⅰ 室町幕府段銭収取制度の成立と展開 平安・鎌倉期の段米・段銭―一国平均役との関係を中心に(永松圭子) 足利義満政権下での官庁段銭について(辰田芳雄) 康正二年造内裏段銭の収納機関―国立国会図書館本「造内裏段銭并国役引付」の検討から(永山愛) 室町幕府将軍直臣編成の展開と京済・守護不入特権(松井直人) 室町期京都における地口銭賦課体制の成立過程(長崎健吾)
Ⅱ 荘園領主段銭の諸様相 戦国期北野社の領主段銭(三枝暁子) 戦国期賀茂別雷神社の収取制度と段銭(志賀節子) [史料紹介]戦国時代の調符・段銭請取状の料紙(石川美咲)
Ⅲ 守護・戦国大名段銭の変容過程 天文七年の山城下郡段銭と三好政長(馬部隆弘) 十五世紀後半における備後守護山名氏の段銭収取と国人(伊藤大貴) 戦国大名毛利氏による備中一宮社領への段銭賦(吉永隆記) 大内氏分国における段銭収取システムと知行制(川岡勉)
終章 段銭研究の可能性―成果と課題(三枝暁子)
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