日本人と中国故事 変奏する知の世界
/アジア遊学223
森田貴之,小山順子,蔦清行 編
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出版社:勉誠出版 |
出版年:2018年09月 |
コード: 280p ISBN/ISSN 9784585226895 |
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日本の文学作品に多種多様に取り入れられてきた漢故事(=中国故事)。 本文に直接依拠したもののみだけでなく、逸脱・展開した形でも用いられるが、出典の明記がなされないことも多く、その故事が人々に知られていることが前提となっている。漢故事は、規範や例証として絶対的な価値をもって用いられながら、変化しつづけ、それでいて共有の知的基盤たり得ている。 漢故事は日本においてどのように語られ、どのように学ばれ、そしてどのように拡大していったのか。時代やジャンルを超えた様々な視点から見つめることで、融通無碍に変奏する〈知〉の世界とその利用を切り拓く。
目次: はじめに(森田貴之)
第一部 歌われる漢故事―和歌・歌学 「春宵一刻直千金」の受容と変容(大谷雅夫) 亀の和歌に見られる「蓬莱仙境」・「盲亀浮木」などの故事について(黄一丁) 初期歌語注釈書における漢故事―『口伝和歌釈抄』を中心に(濵中祐子) 中世和歌における「子猷尋戴」故事の変容(阿尾あすか)
第二部 語られる漢故事―物語・説話・随筆 『伊勢物語』第六十九段「狩の使」と唐代伝奇(小山順子) 『源氏物語』胡蝶巻における風に吹かれる(竹瓦井裕子) 西施・潘岳の密通説話をめぐって―『新撰万葉集』から朗詠古注まで(黄昱) 延慶本『平家物語』の李陵と蘇武(森田貴之)
第三部 座を廻る漢故事―連歌・俳諧・俳文 故事と連歌と講釈と―『故事本語本説連歌聞書』(竹島一希) 「負日」の系譜―「ひなたぼこ」の和漢(河村瑛子) 其角「嘲仏骨表」に見る韓愈批判―「しばらくは」句の解釈をめぐって(三原尚子) 俳諧の「海棠」―故事の花と現実の花(中村真理)
第四部 学ばれる漢故事―日本漢文・抄物・学問 平安朝の大堰川における漢故事の継承(山本真由子) 中世後期の漢故事と抄物(蔦清行) 桃源瑞仙『史記抄』のことわざ「袴下辱」について(山中延之) 五山文学のなかの故事─邵康節を例に(堀川貴司)
第五部 拡大する漢故事―思想・芸能 花園院と「誡太子書」の世界(中村健史) 李広射石説話と能『放下僧』―蒙求古注からの展開(中嶋謙昌) 浄瑠璃作品と漢故事―近松が奏でる三国志故事(朴麗玉) 漢故事から和故事へ―『本朝蒙求』に見える詩歌の文学観(クリストファー・リーブズ) 日本人と中国故事(木田章義)
あとがき(小山順子)
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