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中世の博多とアジア
上製
伊藤幸司
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出版社:勉誠出版 |
出版年:2021年02月 |
コード: 566p ISBN/ISSN 9784585223009 |
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中世日本における国際交流の最前線 中世日本においてアジアへの窓口であり、アジアにおける日本への窓口でもあった博多。アジアの海商が来航する博多での貿易活動は、民間取引や国家外交など、多様で広範な国際交流のなかで展開されていた。また、博多で展開する宗教勢力は、こうした国際交流と密接不可分の状況で展開し、その影響はネットワークを通じて広く列島の各所にも及んでいた。中世の博多をもっとも特徴付ける要素である「貿易」と「宗教」という視角から俯瞰的に考察し、中世日本最大の国際貿易港であり、東アジア海域有数の港湾都市であった博多の実像に迫る。国際交流史、都市史、流通史、宗教史を架橋する新知見を提示する画期的な一書。
目次: カラー口絵 凡例
序章 中世博多研究の潮流 はじめに 一 中世博多をめぐる文献史学と考古学との協業 二 「狭義の博多」と「広義の博多」 三 「トウボウ」をめぐる議論 四 本書の構成 おわりに
第一部 貿易都市博多 第一章 港町複合体としての中世博多湾 はじめに 一 貿易物資集積地としての博多湾 (1) 集散地としての博多湾 (2) 貿易物資としての材木 二 博多湾のなかの港湾機能 (1) 志賀島 (2) 能古島 (3) 北崎(唐泊) (4) 博多湾における湾口部の港湾機能 三 都市博多を補完する博多湾の港町 (1) 今津 (2) 姪浜 (3) 香椎 四 博多湾のなかの箱崎 (1) 箱崎津 (2) 筥崎宮をめぐる諸勢力 (3) 筥崎宮と博多綱首 (4) 箱崎と博多 おわりに 第二章 中世博多の海商と海の道―南島路をめぐって― はじめに 一 一四世紀前半以前の南島路 (1) 一一世紀後半以降の高麗―奄美群島と海商 (2) 南島路の萌芽 二 一四世紀後半以降の南島路 (1) 南島路と琉球 (2) 中世後期における博多商人の役割をめぐって (3) 『海東諸国紀』に描かれた南島路 おわりに 第三章 日朝関係における偽使の時代―博多商人の視角から― はじめに 一 偽使の発生と展開―一五世紀前半の通交統制と博多商人― (1) 偽使の初見 (2) 世宗期の通交統制策 (3) 九州探題渋川氏との連携 (4) 大友氏との連携 (5) 中央政権との連携 (6) 宗貞盛の博多進出と博多商人 (7) 癸亥約条の成立とその影響 (8) 新たな通交権の模索 (9) 博多商人以外の通交者たち 二 偽使通交の拡大と変容―一五世紀後半の対馬宗氏と博多商人― (1) 一四五〇年代以降の深処倭名義の通交権 (2) 「朝鮮遣使ブーム」の実態と対馬宗氏・博多商人 (3) 一六世紀から一七世紀前半の偽使通交 おわりに 第四章 中世後期の博多とアジア はじめに 一 一四世紀東アジアにおける王朝交替 二 南北朝の動乱と東アジア 三 遣明船の開始 四 南蛮船の渡来 五 応永の外寇と日本国王使 六 宋希璟の来日と博多の朝鮮通交 七 博多商人宗金の朝鮮通交 八 遣明船の復活と博多 九 博多商人による朝鮮通交権の模索 一〇 偽使通交の拡大 一一 博多商人と琉球 一二 偽使通交権の崩壊 一三 一六世紀の博多とアジア おわりに
第二部 宗教都市博多 第五章 宗教都市博多の中世―寺社を中心として― はじめに 一 中国的世界の誕生―博多浜の禅寺― 二 蒙古襲来と博多の寺社 三 息浜の開発と寺院の建立 四 大内氏の進出と博多の寺々 五 博多都市民の神々 おわりに 第六章 博多と鎌倉―鎌倉時代の日本禅宗界― はじめに 一 博多禅と鎌倉禅 二 蘭渓道隆と博多 三 南浦紹明の博多下向 四 南浦紹明と趙良弼 五 鎌倉と直結する博多の禅寺 おわりに―博多と鎌倉の希薄化― 第七章 首羅山・油山と東アジア はじめに 一 悟空敬念と円爾 二 悟空敬念と東巌慧安 三 悟空敬念と兀庵普寧 四 首羅山と博多 五 油山と博多 おわりに 第八章 中世の崇福寺をめぐって はじめに 一 大宰府崇福寺と博多承天寺 二 大応派と聖一派の確執 三 大宰府横岳派の展開 四 室町期の崇福寺と妙楽寺 おわりに―近世の崇福寺へ― 第九章 博多聖福寺と臨済宗幻住派 はじめに 一 無隠元晦とその弟子 二 幻住派の世紀 三 戦国・織豊期における聖福寺復興活動 おわりに
第三部 博多の史料研究 第一〇章 聖福寺古図と承天寺古図―描かれた戦国時代の博多― はじめに 一 聖福寺古図 (1) 紛失した「聖福寺古図」 (2) 九州大学の「聖福寺之絵図」 (3) 描かれた聖福寺の関内 二 承天寺古図 (1) 策彦周良の賛文をめぐって (2) 狩野松栄の絵をめぐって おわりに 第一一章 湖心碩鼎『頤賢録』について はじめに 一 湖心碩鼎 二 『頤賢録』 おわりに
終 章 アジアのなかの港市博多 はじめに 一 港市博多の変遷 (1) 浮島に誕生した博多 (2) 博多津唐房の形成 (3) 博多息浜の開発 (4) 東アジア海域秩序の変容への対応 (5) 博多―異国をめぐる航路 二 集散港としての博多の構造 (1) 港町複合体としての中世博多湾 (2) アジアの港市との比較 おわりに
史料編 湖心碩鼎『頤賢録』 凡例 『頤賢録』乾 『頤賢録』坤
初出一覧 研究費使用一覧 あとがき 掲載図表一覧 参考文献一覧 索引
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