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荒れ野の六十年 東アジア世界の歴史地政学 上製
與那覇潤
出版社:勉誠出版
出版年:2020年01月
コード:   392p   ISBN/ISSN 9784585222644
 
価格 3,520円
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東アジアで共有できる歴史を―

かつてこの理想が追い求められた時代があった。しかし、なぜ共有したいのだろう。やり過ごしあうだけではどうしていけないのだろう。そうした欲求は、日清戦争の開戦から朝鮮戦争の休戦までの「荒れ野の六十年」が残した近代の爪痕にすぎなかったのではないか。この地域が抱える絶望的な摩擦の根源へ、古典と最新の研究の双方を対照して迫った先に見えてくる、あたらしい共存の地平とは。不毛な論争に終止符を打つ、気鋭の歴史学者による最後の論文集。

目次:
まえがき―廃墟に棲む人のために

Ⅰ 西洋化のとまった世界で―同時代への提言
 1 三つの時代と「日中関係」の終わり―今こそ読みなおす山本七平
 1 「終わりのはじまり」を見抜いた山本七平
 2 「進歩的知識人の蹉跌」の原型は江戸の儒者に
 3 東アジアに存在するのは「士大夫のナショナリズム」
 4 国家のリアリティが欠如した中国と日本
 5 「韓国モデル」は未来の解決策を示せるか
 2 再近世化する世界?―東アジア史から見た国際社会論
 はじめに
 1 リ・リオリエント―アジア時代のグローバル社会論
 2 民族とナショナリズム(の違い)
 (1)東アジア史の知見:想像(されただけ)の共同体―ナショナリズムの不在と抑制
 (2)今日的含意:「新人種主義」は(そもそも)存在したか?
 3 近代東アジアの国際的契機―朝貢外交システムと現代アジア
 (1)東アジア史の知見:ヨーロッパ覇権以降―もうひとつの外交システム
 (2)今日的含意:近世、未完のプロジェクト
 4 中華〈帝国〉―再近世化の世界秩序と東アジア思想の可能性
 おわりに
 3 中国化する公共圏?―東アジア史から見た市民社会論
 1 西洋史からモデルを作る―アレントとハバーマス
 2 東アジア史からモデルを作る(Ⅰ)―清朝中国
 3 東アジア史からモデルを作る(Ⅱ)―徳川日本
 4 世界史を描き直す―日本化から中国化へ?
 5 歴史から未来を描く―アジア市民社会像の新構築

 【補論Ⅰ】 社会の「支え方」の日中比較史―陶徳民ほか編『東アジアにおける公益思想の変容―近世から近代へ』書評
 1 構造
 2 実践
 3 考察
 4 批判

Ⅱ 歴史のよみがえりのために―古典にさがす普遍
 4 革命と背信のあいだ―逆光のなかの内藤湖南
 1 中国を通じて語られる自画像
 2 一身にして二生を経ず
 3 唐宋変革・明治維新・辛亥革命―『支那論』
 4 漢籍の語で近代を評価する
 5 歴史の終わりを中国に見る―『新支那論』
 6 同病相憐れむアジア主義へ
 7 湖南研究の軌跡と現状
 5 史学の黙示録―『新支那論』ノート
 1 史論と時評―〈現在〉の視野から
 (1)二〇一二年という終焉
 (2)湖南の復権?
 2 『新支那論』の呪い―〈西洋化〉パラダイムの終焉
 (1)問題としての『新支那論』
 (2)批判者たちの論理
 (3)その陥穽と今日的状況の起源
 3 『支那論』からの視線―方法としての〈近世〉
 (1)〈中国的民主主義〉としての近世論
 (2)文化というニヒリズムへ
 4 未来としての中国―『新支那論』のなかの〈帝国〉
 (1)国家なき社会をめぐって
 (2)資本主義なき市場経済
 (3)中国式ネオリベラリズム
 (4)アナーキカルな統治へ
 (5)国家も民族もない土地で
 5 湖南の逆説―〈日本史〉の終幕へ
 (1)進歩という幻影
 (2)『新支那論』の反省
 6 変えてゆくためのことば―二十世紀体験としての網野善彦
 1 ことばと自由
 2 歴史と権力
 3 無縁と共産
 4 大陸と列島
 5 伝統と信念
 7 無縁論の空転―網野善彦はいかに誤読されたか
 はじめに―二人の幽霊
 1 「中世都市論」
 2 神田千里(松井輝昭・林文理)
 3 『無縁・公界・楽』
 4 永原慶二(義江彰夫)
 5 石井進(峰岸純夫)
 6 〈社会史〉(山口昌男)
 7 安良城盛昭
 8 樺山紘一
 9 阿部謹也
 10 中沢新一
 11 岩井克人
 12 小熊英二・赤坂憲雄
 おわりに―よみがえる幽霊
 【補論Ⅱ】社会科学にとって歴史とは何か―久米郁男『原因を推論する―政治分析方法論のすゝめ』書評

Ⅲ もういちどの共生をめざして―植民地に耳をすます
 8 帝国に「近代」はあったか―未完のポストコロニアリズムと日本思想史学
 1 視界不良の時代
 2 マルクスからフーコーへ?
 3 山崎闇斎の逆説
 4 植民地近代の陥穽
 5 三島由紀夫が見た闇
 9 荒れ野の六十年―植民地統治の思想とアイデンティティ再定義の様相
 1 方法―「思想史」から植民地を問う
 2 前提―「自覚的に曖昧な秩序」としての東アジア近世
 3 発端―「十九世紀の危機」と伝統文明の失調
 4 葛藤―「自覚的に曖昧な秩序」への近代文明の侵攻
 5 転換―「中華世界」の再浮上と日本帝国との拮抗
 6 蹉跌―「中華帝国」との最終戦争と敗北
 7 総括―「中華になり損ねた帝国」の崩壊
 8 回帰―「自覚的に曖昧な秩序」としての戦後東アジア
 10 靖国なき「国体」は可能か―戦後言論史のなかの「小島史観」
 1 「史観」が問われた季節
 2 「史観」を語るのは誰か
 3 「史観」の起源にせまる
 4 比較史の技法としての「史観」
 5 靖国という「史観」を超えて
 【補論Ⅲ】 ノンフィクションに学ぶ、「中国化」した世界の生き抜き方

あとがき―収録作品解題
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