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彭明敏 蔣介石と闘った台湾人 上製
近藤伸二
出版社:白水社
出版年:2021年05月
コード:   288p   ISBN/ISSN 9784560098240
 
価格 2,750円
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李登輝と同時代を生き、民主化運動のシンボルと言われた人物の波瀾万丈の人生を貴重な証言と史料で再現したノンフィクション。

彭明敏と李登輝はともに1923年生まれで台湾大学時代からの友人だったが、一方は亡命者、もう一方は総統と両極端の道を歩んだ。民主化以前、国民党一党独裁の権威体制に立ち向かって投獄・処刑された人は数知れない。なかでも注目を集めてきたのが、台湾大学教授だった彭明敏が64年、二人の教え子とともに「台湾人民自救運動宣言」を作成・印刷して逮捕された事件である。「自救宣言」は、台湾と中国は別々の存在だとする主張が現在の「一中一台論」の原点となっており、その先見性とともに、特赦で釈放された後、当局の厳重な監視をかいくぐって海外に脱出するという決死の行動も相まって、民主化運動のシンボルとなってきた。22年に及ぶ亡命生活ののち、台湾に戻って初の総統選で当時の野党・民進党の公認候補になるなど、彭明敏の人生そのものが台湾の民主化を象徴しているともいえる。関係者の回顧録や関連資料のほか、当事者の証言から事件の顛末と亡命の一部始終を再現し、さらに李登輝との友情や二人の対比なども盛り込んで、彭明敏の人物像をくっきりと浮かび上がらせる。台湾の民主化運動と知られざる日台交流史に光を当てた労作。

目次:
プロローグ
第一章 独裁政権に挑んだ闘い
 一.日本で教育を受ける
 (一)裕福な家庭で育つ
 (二)京都・三高から東京帝大へ
 (三)過酷な戦争体験
 二.将来を嘱望されたエリート
 (一)台湾大学で学ぶ
 (二)研究者として名を上げる
 (三)蔣介石の知遇を得る
 三.蔣介石の神話を打ち崩す
 (一)自宅で政治問題を議論
 (二)拡大する矛盾
 (三)謝聡敏、魏廷朝との出会い
 四.「自救宣言」を作成
 (一)教え子と一緒に起草
 (二)英知を結集した文章
 (三)日本人外交官との対話
 五.あと一歩のところで逮捕
 (一)始まった「現実の一戦」
 (二)踏み込まれた現場
 (三)密告を奨励する制度

第二章 抑圧と絶望に耐えて
 一.政治犯としての獄中生活
 (一)厳しい取り調べ
 (二)疑われた背後の組織
 (三)海外からの圧力
 二.軍事法廷での判決
 (一)国民党による再教育
 (二)たった二回のスピード裁判
 (三)特赦で釈放
 三.明日なき自宅軟禁の日々
 (一)監視と尾行
 (二)アメとムチの手法
 (三)司法行政部調査局に担当替え
 四.迫る「抹殺」の危機
 (一)送り込まれたスパイ
 (二)本性を現した調査局
 (三)拒否された出国申請

第三章 自由への逃避
 一.命懸けの脱出計画
 (一)海外逃亡を決意
 (二)合法的出国の望みが絶たれる
 (三)日本パスポート所持者になりすます
 二.日本の支援者たち
 (一)苦心の末の割印作り
 (二)現れた格好の実行役
 (三)特務の監視をかいくぐる準備を進める
 三.さらば祖国よ
 (一)家族や友人との別れ
 (二)Xデーを迎えて
 (三)ついに果たした出国
 (四)ようやく届いた「SUCCESS」の知らせ
 四.衝撃と余波
 (一)地に落ちた国民党政権の権威
 (二)暴露された宣言の内容
 (三)台湾内では広まらず
 五.謝聡敏を救った日本人
 (一)台湾で反国民党政権のビラをまく
 (二)警備総司令部の取り調べ
 (三)靴下に隠して手紙を持ち帰る

第四章 再び台湾の地で
 一.独立運動の精神的指導者
 (一)スウェーデンでの亡命生活
 (二)「台湾関係法」制定に貢献
 (三)台湾民主化の外堀を埋める
 二.二二年ぶりの帰国
 (一)英雄の凱旋
 (二)民進党の総統候補に
 (三)総統選挙で二位につける
 三.李登輝との友情と生き方の違い
 (一)台湾大学時代からの親友
 (二)米国から支援
 (三)二人が歩んだ対照的な人生
 (四)しがらみを乗り越えて
 四.見果てぬ夢
 (一)初の政権交代
 (二)蔡英文政権との距離
 (三)台湾独立への思い

あとがき
出典・注
参考文献
台湾人民自救運動宣言(日本語訳)
台湾人民自救運動宣言(中国語)
彭明敏略年表
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