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蒼老たる浮雲 /白水社Uブックス
残雪/近藤直子 訳
出版社:白水社
出版年:2019年07月
コード:   232p   ISBN/ISSN 9784560072240
 
価格 1,870円
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遥かな風の夜の悪夢にも似た不思議な小説
隣り合せの家に住む二組の夫婦の奇妙な物語

異様なイメージと出来事が奔流のように押し寄せる、現代中国文学の最前衛、残雪の衝撃作。

棟続きの家に住む二組の夫婦。戸口の梶の花のにおいに心乱された更善無(コンシャンウー)は、隣家の女、虚汝華(シュイルーホア)に怪しげな挙動を覗き見られて動揺する。虚汝華の夫の老况(ラオコアン)は生活能力のない男で、しじゅう空豆を食べている。女房の好物は酢漬けきゅうり。家の中では虫が次から次へと沸いて出て、虚汝華は殺虫剤をまくのに余念がない。ある夜、梶の花の残り香の中で、更善無と隣家の女は同じ夢を見た……。髪の毛が生える木、血のように赤い太陽、夥しい蛾や蚊、鼠。死んだ雀。腐った花の匂い。異様なイメージと夢の中のように支離滅裂な出来事の連鎖が衝撃を呼ぶ中篇『蒼老たる浮雲』に、初期短篇「山の上の小屋」「天窓」「わたしの、あの世界でのこと」を収録。アヴァンギャルドな文体によって既存の文学の枠組を打ち破り、現代中国の社会と精神の構図を深い闇の底から浮かび上がらせた残雪(ツァンシュエ)作品集。

目次:
蒼老たる浮雲
山の上の小屋
天窓
わたしの、あの世界でのこと―友へ―
訳者あとがき

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